ジョン万次郎漂流記 (偕成社文庫 3239)
ジョン万次郎漂流記 (偕成社文庫 3239) / 感想・レビュー
遥かなる想い
第6回(1937年)直木賞。 ジョン万次郎こと 中浜万次郎を描いた物語である。実在の人物を生き生きと描写し、詳しくは 知らなかった萬次郎の人生が 蘇る。 帰国後の 咸臨丸での通訳、恩人ホイットフィールド船長との再会などの エピソードも 新鮮で、万次郎に関する知識が 少し増えた、 そんな気がする 作品だった。
2018/09/12
なる
語学に堪能なことから幕末から明治にかけて外国人との翻訳に際して抜群の働きをしたジョン万次郎こと中浜万次郎の生涯を悪人こと井伏鱒二が詳細に綴った伝記。もともと万次郎は武士ではなく土佐の漁師で、漂流していた時にアメリカ船に救出されてアメリカへ行き、船長に気に入られて教育を受けたのだという。漂流していた中での無人島での生活、救出後にハワイで仲間たちと別れてからのそれぞれの経緯などが分かり易く書かれている。船長の人柄と仲間達の心境が特に面白い。帰国後はシンプルで、井伏先生が書くのに飽きてきている感じがする。
2022/06/15
えみ
小学生で『黒い雨』の読書感想文を書いてから全く触れてこなかった井伏鱒二の著作。まさか『ジョン万次郎漂流記』というとても興味深い作品を世に送り出していたなんて…しかも直木賞受賞作だという。江戸後期、幾度の困難にも強靭なメンタルで耐え続け、漂流からアメリカへ、そして奇跡的にも帰国が叶うという類稀なる経験をしたジョン万次郎は幕末の日本の情勢を知る上でもとても興味深い存在。ここで読んでおくしかないと思い手に取ったが、一緒に収められていた『山椒魚』に嵌った。昔読んだ童話『カエルとウシ』に匹敵する残酷な滑稽さがツボ。
2024/11/23
まさ
ジョン万次郎を読みたくて手にしました。彼の波乱に満ちた人生にドキドキしながら読んだけど、肝が据わっているというか、受け止められる姿勢に仰天でした。他の作品、『山椒魚』は定番ですね。何度読んでも興味深い。初めて読んだ『休憩時間』はこれまた意外なおもしろさでした。
2020/07/16
ichi
【図書館本】大河ドラマ「西郷どん」に出ていたジョン万次郎という人物が気になり読んで見ました。時代の狭間で苦労された方だった。今後大河に出演するのか?期待したいです。
2018/06/17
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