屋根裏部屋の秘密 (偕成社文庫 3253 直樹とゆう子の物語)
屋根裏部屋の秘密 (偕成社文庫 3253 直樹とゆう子の物語) / 感想・レビュー
Mijas
遠藤周作「海と毒薬」を読んだ時に、昔読んだこの本を思い浮かべた。松谷みよ子さんは、現代民話考をまとめられ、過去に起こった本当の事を次世代の人々に知ってほしいと述べられていたが、この本にも、その願いが詰まっていると思う。主人公エリコの祖父はミドリ十字の役員で、元七三一部隊の医師。祖父の遺言で、エリコは祖父から当時の貴重な書類を託され、戦争で犯した罪と向き合うことになる。過去を闇に葬ろうと陰謀を企む男や被害者となった中国人の少女の存在など、小学生向けの本とはいえ非常に怖いのだが、大事なテーマだと思う。
2015/03/12
おはなし会 芽ぶっく
『授業で役立つブックトーク』 https://bookmeter.com/books/5540025 より備忘録。【社会 テーマ 戦争を考える】詩画集 小さな祈り→いわたくんちのおばあちゃん→屋根裏部屋の秘密→海と毒薬→モーツァルトはおことわり→あのころはフリードリヒがいた→弟を地に埋めて→戦火の馬→六にんの男たち 8月6日にこの本が読めて、改めて戦争の悲惨さを痛感しました。
2020/08/07
光
子ども向けに描かれていますが、読み進めるのがかなり辛かったです。子ども達は、かなりの衝撃を受けるのではないでしょうか。直樹とゆうこシリーズ。
2015/10/07
えみし
戦争中、大陸で生体解剖や細菌戦の実験台に「人間」をもちいたという、731部隊の資料が自分の別荘の屋根裏に隠されていたとしたら? もし、自分が中学生で尊敬する祖父が関係者だと知ったら? 中国人たちの非業な死の上に自分の贅沢な生活が築かれていたと知ったら? 物語の中のエリコのようにそんな物は見たくも知りたくもない。ゴミとして始末しようとしたエリコの苦しみ。そして直樹が怒りに燃えたように、松谷みよ子さんも怒ったのだ。民話に埋もれた人の思いをすくい上げたように。日本人皆がエリコにであり直視すべき歴史なのだと。
2015/09/09
full
戦争を経験していない私たちが戦争をどのようにとらえるのか。戦争に負けた日本は被害者としての側面が多く語られるが加害者としての側面もある。日本人は悪いことをしていないと思いたい。そんなこと聞きたくないと事実から目をそむけることは簡単ですが、その事実から学んで行くことを考えたいと思います。
2020/01/20
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