死の国からのバトン: 直樹とゆう子の物語 (少年少女創作文学)
死の国からのバトン: 直樹とゆう子の物語 (少年少女創作文学) / 感想・レビュー
くるぶしふくらはぎ
再読 このシリーズの続き「屋根裏部屋の秘密」「あの世からの火」未読です。出版されたころ、もう、大人だったので気がつかなかったんですね。今回、続きがあったことに驚きました。子どもたちに伝えなければいけないという、松谷さんの想いを受け取らなくてはいけませんね。
2014/08/25
金平糖
「ふたりのイーダ」の兄妹と同名だが同一人物ではない。「イーダ」は戦争、本書は公害汚染について激しく告発し問いかける。突然死した猫・ルウをコドモ先祖・直七と死者の世界に探しに行き死者が集う山で、ルウが自分の悲劇が直樹達にも起こると警告しようと力尽きたと知る。直七から昔の暮らしや考え方、生と死等を学ぶ。自然に畏敬の念を抱いていた人間が現代は破壊。便利に流され公害病の元・有害物質を作り己の首を絞める。命の重さを知った直樹は先祖から続くバトンを父からしっかり受け継ぐ。イーダと同じ司修氏の表紙と挿絵が趣きを与える。
2006/06/22
ムーミン2号
1976年の作品。今作では直樹は12歳、ゆう子は5歳になっている。彼らの父親の故郷である日本海側の地方へ行ってすぐに足をくじく直樹は、あの世の住人と交流を重ね、自らのルーツからのバトンを受け取るとともに、飼っていた猫のルウの死についての解明が進んでいくと、そこに浮き上がるのは当時の公害問題になる。そこらあたりの詳細はこちらから…https://www.honzuki.jp/book/134769/review/221776/
2019/02/09
マツユキ
無邪気に遊ぶ子供たち。それなのに…。ただ生きるのにも、命がけの時代があったんだなと思うけど、今も変わりはないのかもしれない。バトンは誰の手にもあるんだろうな。
2012/07/15
KounoNao
大人が読むに耐えうる、というと、児童文学を下に見ているようで嫌な言い回しになるけれど、たとえば子どもの時に出会って、それから大人になったときにまた出会ってほしいような本だとおもう。松谷みよ子は小さい頃図書館で借りてたくさん読んだけれど、なんというか記憶の中でなつかしい鮮やかさをもっていて、そうして今手に取ってもちっとも古くない。こういう本が、消費されるのじゃなく、だいじにずっと残ってくれている「文学せかい」だったら、いいな。
2014/04/29
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