黄金の鍵
黄金の鍵 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
中村妙子訳。東逸子絵。「虹のたもとに行けば黄金の鍵が見つかる。」現実とファンタジー空間が入り混じった人間の国と妖精の国の国境。そこに住む少年はある日黄金の鍵を見つけます。それから長い旅が始まりました。ぴったり合う鍵穴を求めて。そしてとうとう少年がたずねあてたものは。
1988/01/19
鮎
妖精の国との国境に住む男の子はある日、虹の橋のたもとで黄金の鍵をみつける。冷たい家から逃げ出してきた女の子は、不思議なおばあさまの元で男の子と出会う。何もかもが見える通りではない妖精の国、年齢や時間まで自在に伸び縮みするその国を、二人は黄金の鍵に合う鍵穴を探して旅していく。何とも寓意的で示唆に富み、それでいて特徴や感想をまとめにくい不思議な物語。読んでいて、ああ今なにかのヒントをもらったのだと気付くのに、しばらくすると他の何かに上書きされている。河合隼雄さんあたりに解説してほしい。※コメント欄へ
2018/05/25
mabel
ナルニア物語や指輪物語の作者に多大な影響を与えた作者の作品。虹の根元で黄金の鍵を見つけた少年は、どこかにあるはずの鍵穴を探しに少女と旅に出る。どうしてこんな話が書けるのか、雷に打たれたようだった。いま、あまり知名度がないのが残念でならない。 東逸子さんの挿絵も秀逸。
保山ひャン
黄金の鍵を見つけた少年は、その鍵穴を探す旅に出る。少女もまた一緒になり、影のみなもとの国を目指す。途中、はなればなれになるけど、最後は合流。行き先の手掛かりを教えてくれる「海の老人」「大地の老人」「火の老人」、最初に出会う「おばあさま」、みんなめっちゃ若い。おばあさま曰く「わたしにはね、年をとるひまがないの」「年をとるのはなまけものの証拠よ」なるほど!
2015/08/21
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