子どもの詩の園
子どもの詩の園 / 感想・レビュー
遠い日
この本はスティーブンスン35歳の時に書かれたもの。『宝島』で名を為した彼は、幼い頃から病弱であったという。それゆえの夢想の時間、豊かな空想に心を遊ばせることで、彼独自の世界を掴んだのだろう。子どもの心に浮かぶものの「本当」を、子どものことばで再現する力。そして、その世界をみごとに描き上げたテューダーの絵のすばらしさ。見えないものを見る子どもの目がこんなに深く、こんなに広い世界を見つめているとは……。「詩の園に ことこわにあそぶ まぼろしの子ども」は、ここに確かに生きているのだ。
2014/08/07
みけのすずね
身体の弱かったスティーブンスンが幼い頃、ベッドで想像した世界がそのまま再現されているような詩集。「ひとりで、川にそって、山すそをのぼって ゆめの国を行く」ねむりの国、「こまったことに であっても、むじゃきで、しょうじきでいるようにね。 しあわせなこころ、しあわせな顔つき、みどりの土地で、しあわせなあそびをあそぶこと、これが、むかしから、王さまや、賢人になる道だそうだよ」子どもそのものが映しとられているのと同時に、乳母が見守るようなあたたかさも感じられる。ターシャ・テューダーの挿絵がぴったりで、すてきです。
2014/08/24
秋桜
あの「宝島」を書いた作家さんだとは知らずに、図書館で可愛い子供の絵に惹かれて手にとりました。懐かしいと感じた絵は、「タ―シャ・テューダ―」でした。ロバート・ルイス・スティーヴンスンが子供の頃病弱であった頃、ひとりあそびをしながら空想の世界へ。。不安や希望や夢など心のうちを打ち明けた詩集。夜、寝る時に不安な思いをした経験は、私たち大人も、子供の頃に経験したと思います。ちょっと読んでいて、病弱で一人遊びをしてたスティーヴンスンを抱きしめたくなりました。小さな子供さんには読み聞かせもいいのではと思いました。
2015/01/22
ろばこ
「宝島」等の作家スティーブンソンの詩集。体が弱く、ベッドで過ごすことが多かった彼の子供の頃の空想が鮮やかに、そのまま焼き付けられている様に感じた。ターシャの絵も詩の世界そのまま。素晴らしい。
2015/05/15
いやしの本棚
チャールズ・ロビンソン、ル・メール、ジェシー・スミス等、数多くの画家たちが絵を寄せてきたスティーヴンソンの詩集『子どもの詩の園』。ターシャ・テューダーは確認できただけでも2度、この詩集の挿絵を描いており、今回邦訳されたのは1947年版、他に1981年版(1999年復刊、未邦訳)があります。こちら初期のターシャの挿絵は、草花をモチーフとした楕円の飾り罫の中に描かれた絵がやさしく、またターシャの息子セスが言うように、子どもの「さみしい心が一筋の糸のように」織り込まれていて、たいへん美しい詩画集となっています。
2014/08/10
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