異神変奏 時をめぐる旅 (幽ブックス)
異神変奏 時をめぐる旅 (幽ブックス) / 感想・レビュー
井月 奎(いづき けい)
思いは時を超え、時が経つだけ不純なものは晒されて透明に近い思いのみが残るのです。思いは人が抱き、他の人が受け取るのですから、その取りようによっては愛情が執着に、優しさが嫉妬と作用することも少なくありません。三つのかんばせを持つ神さびた姫は、その異形と異能により孤独を強いられ、異形異能を恐れる者たちがむける恐怖心に歪んでしまい愛を執着にしてしまうのです。それは姫に真心を抱く娘、姫の心を美しいとみる仏師への嫉妬となるのです。しかし芯から相手を思う心が嫉妬、執着の内側からその姿を現したときに皆、救われるのです。
2019/06/13
あぶらや
時を何度も繰り返し出会いながらも苦しむ恋人同志。それは神に神に近い女性との因縁だった。 作者独特の世界観。中世の描きかたがとても好きです。
2017/12/17
多喜夢
三面の神像というと阿修羅王を思い出す。輪廻転生をテーマとした話は大好きだが、ちょっと類型的な感じもした。もうひとひねりあったらよかったのに。
2014/06/29
あずき
二人の若者に課せられた現代から過去に遡るヒメさまの呪い。その呪縛から逃れる事が出来るのか。果たしてヒメさまとは何者なのか。ヒメさまの像も不気味ながらも、独特のオーラを醸し出して良いです。色々な時代の世相も興味深く、魅了される物語。
2014/06/22
にゃんモフ
いろんな時代のお話があるけど、特に奈良時代ぽい頃のお話が好き。 主役たちよりヒメ様が好きです。北欧神話のノルンを思い出しました。 実際にこういう方がいたら怖いかなあ。奈良時代の髪型だからかな、神々しくて素敵だけど繊細で寂しがっておられるとことか抱きしめたい。
2014/06/20
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