薔薇十字叢書 蜃の楼 (富士見L文庫)
薔薇十字叢書 蜃の楼 (富士見L文庫) / 感想・レビュー
Bugsy Malone
ブゥン。ブブゥゥン。『ドグラ・マグラ』の様な出だしだ。昭和二十七年七月、うだるような暑さの中、関口巽が見上げた先には聳え立つ東京スカイツリーが。我、しばし呆然。それ以降、関口と共に昭和平成を行きつ戻りつ、時の旅を続ける。関口巽という人物は使い勝手がいい。彼を上手く使う事で、有り得ないだろう状況を有り得る事として読者に納得させてしまうことが出来る。著者自ら、本家の登場人物を借り、遊ばさせてもらったという本書は、そういう意味では充分成功していると思う。こういうのも面白い。
2017/11/10
Yuna Ioki☆
1615-46-46 初読み作家327人目。シリーズ作品フェス№13 世の中に不思議はない的な本家とは違うのね(笑)二次創作だからなんでもありなんだろうけど。。。ただの想像なのか本当に未来を見たのか?こういうのは苦手。。。
2017/05/27
カナン
辛口。一言で言って陳腐。関口巽が文字通り時をかけるわけで、眼前にスカイツリーが聳え立っていようがスマホでインスタ映えを狙う若者がいようが、「まぁ関口の視点だしなぁ…」で早々に読者にツッコミを放棄させる原作のキャラ設定の強さには改めて感心するものの、ここまで遊んだ作品なら個人サイトやpi○iv辺りにもっと出来の良いものがありそうだ。作者は感無量のようだが、そりゃここまで公認で原作を好き勝手出来れば満足だろうよ、というのが本音。ラストの緩さに脱力したので、今後同じ作者の本を見つけても手に取ることはないだろう。
2019/02/08
つたもみじ
薔薇十字叢書。昭和二十七年。初の長編小説「蜃の楼」を上梓した関口巽は、刑事・木場、担当編集・桜木と共に東京の街を彷徨っていた。スカイツリー、東京オリンピック、霞が関、市民・学生運動…。連続神隠し事件の犯人と目される・黒衣を纏った”S”を捜し、時代を超えて関口は東京を彷徨い歩く。ずっと「夢オチじゃあるまいな…」と、思いながら読んでた。うん、まあ…夢オチ、ではないか。ノスタルジックな昭和の景観や、隔離された喫煙コーナーに文句を言う木場、これはこれでSFチックな幻想小説みたいで面白かったです。
2017/06/21
まるぷー
「百鬼夜行シリーズ」の時代設定って、確か戦後から昭和20年代の後半だったはずと、行きなりスカイツリーが出てきたり、はたまた都庁や高層ビル群オリンピック、学生紛争など時代は行ったり来たり。連続神隠し事件が発端で関口がその時代空間を彷徨う。関口の長編小説「蜃の楼」が事件現場に残される。Sと名乗る黒衣の犯人。関口のS、桜木のS。結局、関口は妄想の中に未来を見たのか?現実離れしたSF的な話になって、ちょっと本来のこのシリーズから逸脱した感があったけどこれはこれで面白かったかな?
2017/10/07
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