カネは敗者のまわりもの (ファンタジア文庫)
カネは敗者のまわりもの (ファンタジア文庫) / 感想・レビュー
まりも
これは圧倒的弱者の少年が、1人の少女を救う為に圧倒的強者に挑む物語である。人の命も価値も、全てをカネで買うことが出来る。そんな残酷な世界の標的となってしまった少女。それを救うは敗北を宿命づけられた少年。これは確かに邪道極まる王道作品ですね。キャラの背景こそ不足しているけど、そんな欠点を補って余りある面白さがこの作品にはあ。それこそがカネというわかりやすい要素を使った緊迫感のある頭脳戦と、圧倒的強者に弱者が打ち勝つあの爽快感でしょう。これに古き良き王道の面白さが加わるんだから、そりゃ大賞を受賞する訳だ。
2018/01/21
真白優樹
―――全てを買える金で買えぬもの、それは誰もが持ち合わせる物。あらゆる奇跡を叶える謎の通貨、そんなものに全てを捧げ、稼ぎ続ける事を選ばされた奴隷達。そんなどうしようもない奴等が、それでも譲れぬ物の為にぶつかり合うこの物語。それぞれに譲れぬ物がある中、少年は渡したくないものを守り抜く、そんな単純だけど大切なものの為、魔王になる。そんな彼の熱さが薄氷の上を疾走するが如き、窮地の連続の頭脳戦の熱と一つとなり、比類なき熱を手にしている。 この熱さ、是非とも多数の人に伝播してほしい。 次巻も須らく期待である。
2018/01/21
たこやき
「金をめぐる物語」とはあるが、途中までは、言葉こそ出てくるが、ただの異能バトルモノ。ところが、中盤、実は……というのがあらわになり、メアリ奪還戦になってからの策略などは面白かった。読み終わって、「金を巡る」というの事には納得した。……ただ、読んでいてどうにも気になったのが、設定が後付けっぽく感じられること。つまり、最初から「こういう設定があるんだ」として、それをどうするのか? じゃなくて、何かした時には「これはこういう設定だから」と説明されるから。ちょっと後出しじゃんけんをされた感じがしたのも確か。
2018/02/27
BUNBUN
金がテーマの作品でした。金を奪い合うのでギャンブルかと思ったら異能バトルのような内容だったかな。設定もしっかりしていたと思うし、キャラクターもよくて面白かったです。発想が素敵でしたね。 続きも気になるので、次巻も読もうと思います。
2018/03/13
ツバサ
カネで超常現象まで買えるという設定で作者が伝えたいことを物語にするのは素晴らしいな。途中までは、これが大賞作品かと思ったけど、読み終わったら大賞作品に相応しい出来で良かったです。
2018/01/22
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