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成長なき時代のナショナリズム (角川新書)

成長なき時代のナショナリズム (角川新書)

成長なき時代のナショナリズム (角川新書)

作家
萱野稔人
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015-10-10
ISBN
9784040820477
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成長なき時代のナショナリズム (角川新書) / 感想・レビュー

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白玉あずき

新書の限界か。巻末参考文献にもちとがっかり。萱野さんほどの方が、こんなに「読みやすさ」ばかり徹底しなくてもと思うのだが。パイの縮小が、嫌な意味でのナショナリズムを生み出すと繰り返し書かれているが、それは一つの要素にしか過ぎないと思う。異物排除や弱者に対する攻撃は、資源分配の「パイが小さくなる」だけではなく、大災害後の恐怖や不安、過密等による環境悪化等々でも起こる、動物としてごく普通の反応ではないのか。将来が不安だというだけでも「イジメ」と他罰的思想は発生する。

2015/11/29

ゆうきなかもと

「国民主権の考えがナショナリズムそのものであることを理解せずに、外国人排斥の主張だけをナショナリズムと批判しても、理論的にはまったく説得力をもたないのである。」 ヘイトスピーチや嫌韓、嫌中のようなことが起こる背景やそれをどう乗り越えるのかについて主張した本。著者らしく、極めて現実的かつ論理的で、さらにわかりやすい内容。

2015/10/29

tolucky1962

①排外主義的ナショナリズムの原因が縮小する社会的パイにある:これには納得です。ナショナリズム批判派もこれに気づかないのも確かだし、現政権がパイ拡大時代の政策のままなのも問題。②ナショナリズム批判派の国民主権論者もナショナリズムだ:これには疑問も感じる。学問的定義はそうかもしれない。が、根本に共通点があっても違いもあると思う。ナショナリズムに対するものは世界政府のみでもないのでは?パイ縮小の時代に格差をなくして戦争を回避できるか..ベーシックインカム否定論をここでなぜ強く書いているのかも少し疑問。

2015/11/05

hk

新しい視座をたくさん得ることが出来る1冊だ。とりわけ特定秘密保護法案を例に挙げて、リベラル派の国民主権を楯にした反体制言論が、ナショナリズムに立脚しているという見解には脱帽である。それ以外にも「一票の格差は地方-中央の所得格差是正の均衡装置」「ベーシックインカムは生産と存在意義の関係を無視したシステム」「カネには困らぬ北欧で極右政党が台頭した訳」「コンクリートからヒトにと団塊の世代の不可分な関係」「ナショナリズムという土俵の上で、国民の範囲をどうとるかがリベラルと保守の分水嶺」など含蓄がてんこ盛りだ。

2015/12/25

まゆまゆ

今の日本にはびこるナショナリズムは、社会的なパイが減少しながらも負担だけが増え続けているという実感がもたらしているものではないか。また、自分たちが貧しい暮らしをしているのになぜ外国人を……という問題意識がさらにナショナリズムを高揚させている。排外的なナショナリズムではなく、自国のことを本気で考えるナショナリズムに内側から作り替えていく必要性を説く。

2015/12/07

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