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路地裏の民主主義 (角川新書)

路地裏の民主主義 (角川新書)

路地裏の民主主義 (角川新書)

作家
平川克美
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-05-10
ISBN
9784040821238
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路地裏の民主主義 (角川新書) / 感想・レビュー

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とよぽん

現代の日本の社会問題を、地に足の着いた生活者の視点から見て斬った小文をまとめた一冊だ。少子高齢化は日本の経済成長の結果であり、これを更なる経済成長で解決するという駄策では、もう前に進めない。定常状態に入った経済は、人口規模に合わせて縮小していくのが正当だ。経済、家族、仕事、介護、開発と環境破壊、文学や映画など幅広い分野の内容が面白かった。政治家の発言や意識がいかに的外れであるか、明快に述べた文章に、スッキリしたと同時にこんな政治家ばかりで日本はどうなるのか? と思った。平川さんのご病気はどうなのだろうか。

2019/08/24

たかやん

内田樹先生の盟友=平川克美氏の著作も読もうと、まずは新書の最新刊を。少子高齢化は発展プロセスの必然的な帰結であり、成熟化する社会とはチグハグに発展途上型の経済成長戦略を掲げる日本…とグローバリズムに呑まれる世相に警報を鳴らす。「定常経済」について自ずと平川氏の他の本も読みたくなります。ちなみに映画の話題へ脱線(?)する際、『幸福の黄色いハンカチ』『リトルダンサー』など"炭鉱映画"に傑作多し、の指摘に膝を打つ。個人的には"潜水艦映画"に傑作多いイメージです。

2018/01/07

skunk_c

さくっと読めるエッセイやコラムの集成だが、内容は十分で色々考えさせられた。地に足がついているというか、「実感」を大切にしているのがとても共感できた。エンゲル係数の上昇について頓珍漢な解説をした日経記事の話や、砂川判決を集団的自衛権に結びつける高村自民党副総裁の牽強付会ぶりを切り捨てるスタンスは、柔らかい文体からはうかがえない硬派ぶり。報道に対するジョージ・オーウェルの警句など、初めて知ることも多かった。一方映画など文化の話は、口調の穏やかさと目線の低さから楽しめた。『路地裏の資本主義』も読んでみようかな。

2017/05/29

猫丸

微温的良識派エッセイ。読んで新しい発見があるようなものではない。至極当然のことばかり書いてある。現行のお笑い政権を支持できるような方々が読めば多少のクスリにはなるだろうが、そういう人はそもそも本など読まない。そんな意味であまり意義を見出せない本である。加うるに、あちこちに発表したコラムを持ってきて一冊にまとめた、という作り。要するに手抜……じゃなくてリサイクル感覚豊富な本でありますので、一貫した流れがなく、マー読みにくいこと。いいこと書いてありますけどね。おすすめはできませんな。

2019/11/18

amanon

そういえば、これまでの人生ほぼ一貫して路地とは切り離かったな…と本書を読んでいて、ふと思い当たった。いみじくも今住んでいるのも路地裏だし(笑)。それはともかくとして、大文字ではなく小文字で語られるべきものがある。そしてそのことを決して蔑ろにしてはいけない。恐らく、これまでの歴史的大惨事は、小文字で語られたことを蔑ろにしてきたのが要因ではないか?と思わされた。本書で何度か言及されている小津の映画。どう見ても前時代的でしかないと思われる作品が今日的な文脈で語られる意味を我々は深く考えてみるべきなのかも…

2021/05/23

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