KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

沖縄と国家 (角川新書)

沖縄と国家 (角川新書)

沖縄と国家 (角川新書)

作家
辺見庸
目取真 俊
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-08-10
ISBN
9784040821610
amazonで購入する Kindle版を購入する

沖縄と国家 (角川新書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

松本直哉

やはり琉球処分から出発すべきなのだ。独立国だった沖縄の植民地化から日本の近代は始まったのであり、1972年の沖縄復帰は復帰ではなく再植民地化だった。だからこそ現在の米軍の沖縄への仕打ちにこれほどまでに無関心でいられるのだろう。読んでいるうちになにもかも打ち捨てて辺野古に座り込みに行きたくなるが、家族が、仕事が、と尻込みしてしまう自分が情けない。私に従う者は家族も財産も捨てよと言ったイエスの言葉が蘇る。指紋がなくなるまでカヌーのオールを握り続ける目取真さんには深い敬意を感じ、自分の生ぬるい日常が嫌になる。

2020/01/05

秋 眉雄

目取真さんの『希望』という作品についてのやり取りが興味深かったです。主人公のような人間を出したくないから書いたという目取真さんと、そんなことが実際に起こることを密かに期待している辺見さん。それぞれの希望がすれ違うのは、ざっくりと言って現場で身体を張っている当事者か否かということでしょう。対談中、ほんの微かにでも傍観者的な面を見せてはならないとガチガチに固い辺見さんですが、それでも核心を整理された言葉で発しているのはさすがだな思いました。‎

2023/08/06

二人娘の父

読むことが辛い、という本があるが、間違いなく本書はそうした種類の本である。沖縄というよりも、辺野古・高江の現実から、私たちヤマトの人間への告発が続く。それをただ聞き、読むだけの自分。構図をそう決めてしまうと、それは苦痛でしかない。逃れられない苦痛。目取真氏の主張がすべて正しいとは思わない。が、「私があなたの立場なら」と考えることは私にはできる。またしなければならない。上間陽子『海をあげる』の読後感とも似たこの感情を、私は考え続けなければならないと、あらためて決意する。

2022/02/21

かふ

なんでこんなに腹立たしい本なのだろう。バートルビーは目取真俊ではなく辺見庸だ。辺見庸が目取真俊に寄りかかる感じの本になっている不快さ。沖縄の基地闘争をしている行動する人と個人に拘り続けている辺見庸ではどうも立場が違ってしまう。辺見庸が根本的なところでバートルビーなのは「自同律の不快」という日本人に同化出来ない苛立たしさだろう。沖縄人として行動出来る目取真俊に対するやっかみのようなものを感じる。けれどもだから辺見庸がまだ言葉を書き続けるのなら読みたいと思うのかもしれない。捨てきれないものがまだあるのだ。

2017/09/04

Happy Like a Honeybee

Youtubeで奥崎謙三の政見放送が拝見できる。 奥崎氏を狂人扱いする現在の方が、狂気じみている。 実行主体を隠し、責任を曖昧にする象徴天皇制。 沖縄や南洋で犠牲になった慰安婦たち。 基地を維持するより、返還後の跡地を活用した方が税収や雇用も増大して経済効果があったと。 為政者たちの好都合な報道を、鵜呑みにしない習慣。

2017/11/08

感想・レビューをもっと見る