万葉集の詩性 令和時代の心を読む (角川新書)
万葉集の詩性 令和時代の心を読む (角川新書) / 感想・レビュー
しゅてふぁん
中国古典文学、ロシア文学、編集工学など様々な分野の方が万葉集について語った一冊。万葉歌をシェイクスピアのソネットや旧約聖書の雅歌と比較したり、陶淵明と杜甫と山上憶良との共通点についてなど盛沢山で面白かった。‘七十の手習い’‘古希の手習い’って…さすが、各分野で活躍されている方は‘手習い’のレベルが違うなぁ。奈良を故里の町のように親しんだという池内氏の文章をもとに万葉散策してみたいな。中西氏は万葉集を読んでいると旧約聖書を思い出されるそう。積読の山に埋もれてる旧約聖書の関連本、読んでみないと。
2019/08/04
ロビン
折口信夫訳『万葉集』を読む一助になればと思い一読。万葉研究の第一人者中西進をはじめ多士済々、錚々たる顔ぶれによる何とも豪華な『万葉集』の手引書である。期待に違わず中身も濃く、読みごたえがあった。『旧約聖書』の「雅歌」との比較に始まり、青春の日々と絡めた万葉紀行文があるかと思えば、「遣新羅使詩篇」から大伴家持の編集・創作手腕に話が及び、杜甫や陶淵明と山上憶良の類似性を指摘する・・といった感じである。男女、身分の区別のないうえ、政治犯の歌まで取り入れている『万葉集』の魅力を多角的に伝えてくれる良書と思う。
2019/07/10
れいまん
令和の元号になったとき、その原典である万葉集について日本の知識人が書き下ろししたもの 仰天したのは、ロシア文学者の亀山郁夫氏 ロシア近代作曲家ストラビンスキーとショスタコービッチは万葉集の歌を作曲しているというのだ。ショスタコービッチはスターリン時代に、大津皇子の辞世の歌、「ももつたう磐余の池に」運命の不条理を嘆く悲痛な叫びを鮮烈な音楽に仕上げている、というのは凄い。
2021/09/03
すす
万葉集にふれる取っ掛かりを求めて読みました。万葉集を形容する、「天皇から乞食まで」という言葉が印象的でした。考えてみればすごいことですね。それを亀山氏は「カーニバル感覚に通じる」と評しています。華々しい祭典のような、ハレの空気が万葉集に満ちていると考えるとわくわくしてきます。これまでに万葉集にしっかり触れたことは無いのですが、解説書などを読みつつ、万葉集の世界をもっと味わいたいと思いました。
2020/09/11
しまちゃん
新元号「令和」の出展となった「万葉集」について改めて知ろうと思って読んでみました。8名の方が、「万葉集」について思うところを語っています。「万葉集」を読んでいると「旧約聖書」を思い出す。万葉の時代を感じるために、その場所を歩いてみる。「万葉集」と「百人一首」との関係は?など読んでいて面白いと感じる内容です。編纂者とされる大伴家持についてのエピソードも興味を引きます。ただ、万葉集の歌を理解するのは難しいなぁ~と改めて感じました。歴史の理解も必要ですね。
2019/10/13
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