バカにつける薬はない (角川新書)
バカにつける薬はない (角川新書) / 感想・レビュー
チャー
生物学者の著者が綴ったエッセイ集。独自の視点で社会問題や環境問題についてのコメントや考えが記されており大変興味深い。基礎研究の重要性を訴える部分は共感する面も。社会で訴えられる施策は経済性を伴うものが多く、実態は定かではないものも少なくないという指摘は、それらの意味について改めて考えさせられた。数十年後の環境予測などについては、過去になされた提言が今実際どうなっているのかについて触れられており興味深い。人は不安に思うことへの共感は強く、周りの同調圧力に流されやすいという一面を改めて再認識した。
2023/05/31
阿部義彦
角川新書。元は作者のメールマガジンです。冒頭の1 国家百年の愚計から飛ばしてくれます。待遇が悪くても日本の為に働いてくれ。だから頭脳流出は止まらないし、物作りでは中国に差をつけられる有様。教育現場のブルシットジョブが多すぎる。私的には後半の生物学や人生論に箴言を発見。『他人と一緒でも楽しいが自分一人でも楽しめる趣味がある人は生き延びる力は強い』『生きているとは計画通りにならない事の謂いであって計画通りになるのは機械で、生物では無い。』このままではマスクを外す日は私の生きている内には無理だと思えてきました。
2022/12/26
Iwata Kentaro
献本御礼。メルマガを集めてまとめた本のようで、最近読んだ池田先生の本の中では一番面白かった。特に冒頭の学者の話と最後の晩酌の話が秀逸。
2022/11/28
Mik.Vicky
結構同意することは多かったが、安倍さん否定派だったのは残念だった・・・
2023/06/13
nagata
いつもながらの痛快な語り口で 展開される社会批評。でも、合間に挟みこまれた、生物を捉える洞察力からくる愛情とも諦観ともいえる深みは冴え渡っている。もともと自然界の生き物に孤独な存在などあり得ない。容赦なく食物網に絡め取られているともいえる。唯一人間だけが同類のみで自然から隔絶したところで生きているというのが薄ら思い知らされた。だから、というわけではないか、生物も社会も異質な他者と交わって進化する、は至言。多数派に同調するだけな現代の空気に吹く爽快な風のよう。
2022/12/19
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