覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪 (角川文庫 う 15-7)
覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪 (角川文庫 う 15-7) / 感想・レビュー
おひゃべりのナオ@【花飛】ヤオイは三月の異名にあらず
続きが書かれたら、やはり覇者の弾圧に反抗した女の子のために椿子はテーゼを守るだろう。おまえが罪を犯すなら、わたしも罪を犯そう。「闇の向こうに武装した女の子たちの突撃する姿がはっきり見える」。
2016/10/22
異世界西郷さん
たしか、『貞観政要』という中国の古典に、「創業と守成、いずれが難き」という言葉があったかと思いますが、今巻はまさに、平和を創るよりも平和を維持していくことの困難さを的確に表現していたかと思います。たくさんの流血の末に首都圏を解放しても、敵の残党のテロや味方同士の対立やアメリカの思惑など、まだまだ問題山積な状態の新政権。海人や椿子、少年少女たちがどうなってしまうのか。出来うることなら、この物語がどのような結末を迎えるのか、是非ともこの目で見届けたかった……。本当に良いところで未完なんだもんなぁ。
2015/07/20
じゅむろりん
三部作ついに読了・・・。終わりは著者逝去のためあっけなかったが,余韻が残ります。果たして海人は孤児部隊を解体してどんな仕事につくのか,アメリカとの決着はつくのか,など勝手に考えてみるのですが著者の思い描いていた結末はそれを上回る大団円じゃないかなと思います。これだけの登場人物と勢力をあたかも史実のように戦況をつなげていく筆力に圧倒されます。戦後処理の様子もリアリティがあり,戦争終結は単純ではないこともうかがい知れます。もうしばらくしてまた「裸者~」から読み直したいと思います。
2013/08/28
ゾロりん
久々再読。やっぱり本作は面白い。唯一無二なのでは。未完なのがひたすら残念だし、三部作と言わず延々続けて欲しかった。女の報道官の台詞、歴史的瞬間が間もなくおとずれる。我々はかならず殺戮と略奪と飢餓の二十年間を終わらせる。は感動的。
2014/08/24
柳多久
前半の海人パートを読み終えてからすごく時間がかかってしまったなあ。椿子パートも面白いし好きなんだけど、やっぱり完結していない、というのと戦争が終結して海人の出番がものすごく少なくなってしまった、というので、いまいち読む気になれず、のんびりしてしまった。戦争が終わっても問題は山積み。それでも自分の信念を貫き通す海人の姿をもっともっと読みたかった。
2013/07/16
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