翔べ麒麟(上) (角川文庫)
翔べ麒麟(上) (角川文庫) / 感想・レビュー
NAO
唐の玄宗皇帝の御代、日本から第11回遣唐使が出発した。その船に乗って唐に渡った留学生藤原真幸から見た唐と彼の活躍が活き活きと描かれる。国際都市唐は、世界中から人々が集まってくるだけでなく、政治に携わる人々も国際的。「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」の短歌でしか名を知らなかった阿倍仲麻呂が、唐で朝衡と名を変えて玄宗皇帝の寵臣として活躍していたとは。王維、李白、顔真卿と漢詩や書道で名を知っている人々が、生の人間として描かれているのも、読んでいてうれしい。
2016/03/25
KAZOO
「村の名前」に連なる作品なのでしょう。唐時代の中国について書かれていて結構有名人が出てきます。顔真卿などが出てくるとは思いませんでした。読んでいて近い時代を書いた夢枕獏さんの空海の話を思い起こしてしまいました。それよりももう少し文学的な色彩があります。
2014/07/28
河内 タッキー
阿倍仲麻呂や吉備真備、玄宗皇帝、楊貴妃、楊国忠、安禄山といった名前はよく知っている登場人物だが、実際何をした人かは全然知らなかった。どこまでがフィクションなのかわからないが、それぞれの思惑が絡み合ってどういう展開になるか?上巻が終わりやっと動き出す気配。
2018/07/09
みっちゃんondrums
実際は文春文庫版で読んだが、イメージが登録されていなかったので、角川版で登録。唐の玄宗皇帝が楊貴妃に惑溺し、楊氏一族が政権を握る中、主人公である青年藤原真幸が遣唐使の一人として来唐する。その昔、遣唐使として来唐し、皇帝に気に入られ日本に帰ることを許されなかった朝衡=安倍仲麻呂が以前から政権内で力を持ち、楊国仲に敵視されている。その血なまぐさい政権争いに真幸も含めた遣唐使たちも巻き込まれる。国内、国際政治の丁々発止や、長安の国際性が興味深いし、国を越えた友情や恋も盛り込まれて楽しめる。
2014/11/18
BIN
唐の玄宗時代が舞台だが主人公は唐王朝で高官となってる阿倍仲麻呂と吉備真備と共に遣唐使の一員となった架空の留学生である藤原真幸。仲麻呂さんがどういう人物だったのか知りたかったが大分創作が入ってる模様。そもそもこの時代で西域由来とはいえ、カタカナ表現されるといろいろ萎える。美男子の真幸と科挙合格を目指すこれまた美男子であるき李春と女刺客とか歌姫とか舞姫とか女性関係が多い序盤ではあったものの、終盤に楊貴妃の親族である楊国忠VS安禄山&仲麻呂の政権争いという形で盛り上がってきて、どうなっていくか楽しみです。
2017/05/18
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