ダークルーム (角川文庫)
ダークルーム (角川文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
読み友さんにお奨めして頂きまして読みました初読み作家の近藤史恵さんの8編のミステリ短編集で第一印象とは少し違いましたが、面白くて良かったですよ。どうもありがとうございました。これは誰もが勘違いするだろうと思いますが、表題作「ダークルーム」の暗い部屋とは実は暗室の事だったのですよ。本書の統一テーマは「裏切りの苦い思い」かなあと私は感じましたが、著者は根が陽性の方なのか読後イヤミスみたいな後味の悪さは皆無でしたね。なるべくぼかしながら紹介します。『マリアージュ』高級フレンチ・レストランに毎夜通う女の理由とは?
2021/11/13
takaC
突飛ではなくありがちな恐怖というか蟠り。解説(藤田香織)もほどよく調和。
2016/04/13
masaru
短編。人間の嫌な部分をストーリーによって、さらりと、じっとりと、ねっとりと、さらには心地よく描いた作品でした。面白かったです。
2017/01/02
ナルピーチ
近藤先生がデビューした90年代初頭からおよそ20年の間に書かれた短編8作品が収録。著者を知るには入門編として程よい一冊。後味悪く、人のサガを表現した「SWEET BOYS」と「水仙の季節」それぞれ結末は異なるが、人の欲望が招いた様を見事に描いている。最終話の「北緯六十度の恋」では良い意味でその期待を裏切られた。他の作品もクオリティある内容で、読後にジワジワと近藤先生の魅力に惹き込まれていく。次は長編作も読んでみようと思う。
2022/03/08
utinopoti27
軽いテンポのミステリから、どっぷり重いサスペンスまで、近藤史恵という作家は実に多彩な顔を見せる。本作に収録されているのは、初期から中期にかけての短編が8つ。どれも力みのない、繊細な心理描写が活きている。兄に執着する妹の狂気を描く表題作『ダークルーム』。兄から恋人を遠ざけるためにとった妹の行動とは・・。日常の一瞬にふと頭をもたげる心の闇や、さりげない態度に隠された狡猾な悪意を、さらりとしたタッチで包み込む手法は、佳作ながら納得の巧さだ。最近とみに安定感と円熟味を増してきた「大御所」の活躍に、今後も期待したい
2020/09/29
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