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文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫)

文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫)

文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫)

作家
夏目漱石
出版社
KADOKAWA
発売日
1970-05-12
ISBN
9784041001172
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文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

こころに続いて2冊目の夏目さん。こころとだいぶ印象が違って戸惑う。彼自身の日記に近い小品集である本書には、何となくくすりと笑えるユーモラスな一面や、内田百閒のような幻想的なふしぎ話もあったりして、素晴らしい文豪というよりは、夏目さん、夏目先生、と気軽に声をかけたくなるような親しみを感じてしまう。彼自身の人柄を慕ってくるお弟子さんも多かったんだろうなぁ。京に着ける夕で京都に行きたくなって、ついでにぜんざいを食べたくなって、永日小品、倫敦消息、自転車日記で思わずくすり。夢十夜の幻想的で訳わかんない感じも好き。

2018/08/15

mukimi

漱石は短編集がたまらない。超短編集の永日小品は贅沢に連なる美しい比喩表現に終始うっとり(漱石を愛読する綿矢りさ氏の圧倒的比喩表現が連想され個人的に嬉しい。)...読書中の私からはアルファ波が出ていたに違いない。正岡子規への手紙である倫敦消息も茶目っ気たっぷりでこんな面白い文章読んだことない…と感激しきり。懐かしくて鼻の奥がつんとするようなからっぽの日常の人間臭さもやはり心にしっくり沁みる。知的でユーモラスで繊細でほの暗い漱石ってもしかして理想の男性かもしれないなど自由に夢想に耽りつつ幸福感と共に読了。

2021/06/17

藤月はな(灯れ松明の火)

「京につける夕」は正岡子規が亡くなった後の京都へ訪った時のエッセイ。今までとは格段と寒々しく思える京の様子とデジャブの甘さに感を打たれる姿に友を喪った哀しみがヒシヒシと伝わってきます。そして『夢十夜』は矢張り、格別。微睡みの中で見た悪夢めいていて懐かしいので寝苦しい夜のお供にピッタリでした。今の私は「仏の像」の話が好きです。『倫敦消息』などのエッセイらは『先生と僕』(香月ゆら)で紹介されていたエピソードも多々、収録。その為、脳内は香月ゆらさんの絵柄で再生されてしまいました。

2020/06/17

扉のこちら側

2018年242冊め。他文庫や青空文庫で既読。再読。漱石作品の中でとりわけ好きなのがは『夢十夜』。何度読んでも笑ってしまうのが『自転車日記』。

2018/06/30

里愛乍

一篇の頁数が少ないので、日にちをかけて軽い気持ちで読み始めました。「京に着ける夕」のっけから、あぁ情緒あるなぁと思いつつも洗脳されたかのように善哉が食べたくなり、その足で甘味処に向かってしまったのは私だけですか?可愛いとか愛しいとか一言も書かれてないのに只々可愛らしい表現しか感じない「文鳥」。もの悲しかったり薄暗かったりどれもラストが秀逸な「夢十夜」。あとのエッセイというか日常を綴った作品も、どの一篇にもきちんと〆られているのがいい。偶に文豪小説に感じることのある投げっぱなしな終わりではないのです。

2017/09/13

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