再生 (角川文庫)
再生 (角川文庫) / 感想・レビュー
優希
とても爽やかで素敵な短編集でした。等身大の人たちの話なので、凄く感情移入してしまいました。挫折もするけれど、そこから新しい第一歩を踏み出そうとする姿に感動します。大きな出来事は何もないけれど、些細なところから再生をしていくのが良かったです。日々をほんの少し丁寧にしていこうと思わせてくれる、そんな一冊でした。
2015/11/24
りゅう☆
妻を亡くした夫、息子の障害から逃げた父、同棲中の恋人に別れを言われたOL、退職後に何度も試験に挑む夫、契約社員の自分のことで精一杯の女性、ADHDの息子を持つ母親、ストレスで会社に行けない男性、この会社でいいのかと悩む男性、海に骨をまく女性と出会った男性、若年性アルツハイマーの夫と生きる妻、焚火を熾すボランティア、更年期障害の妻に栄養失調の出戻り息子とリストラ危機の夫。悩んで傷ついてる状況だけど、ふとしたきっかけで一歩踏み出そうとする人たちの話。起承転結の展開にアッサリ感あるがエールを送りたい思いになる。
2023/12/21
のり
12話からなる短編集。人生色々な事がおきる。浮き沈みがころころと入れ替わる。この困難にぶち当たった時に人はどう対処するのか?それで先が大分変わる。決して簡単な事ではないが、変わる時期がきたのかもしれない。人はそんなに強くはないが、弱くもない。そんな思いを突きつけられた。「ツルバラの門」と「銀のデート」が特に好みだった。
2023/11/23
kei302
「再生」をテーマにした短編集。直接当人から話をきき、小説に仕立て直したものが半分と「あとがき」に記されている。65歳PLEYMASUTER磯谷さんと焚き火を囲む人たちとの交流を描いた『火を熾す』、穏やかな時間の流れが心地よかった。本筋に関係ないけど、― その日、冒険広場につくられた炉はみっつだった 昼すぎに母親たちのグループがやってきて ちいさな焚き火を熾し 割り箸の先に刺したマシュマロを焼いてたべていったのだ ― 漢字とひらがなの配分も考えて綴られているのかな。温かみがある。
2023/02/24
汐
何処にでもいるような等身大の人々が描かれています。大人でも子どもでも、この世界で生きていけば、誰しも傷を負う。そんな世の中に対し、不満や敗北感、劣等感を感じるなかで微かに光る希望がある。大切な人がその希望を喜び、大きくしてくれる。だから人は夢見ることをやめないのだと思う。社会で上にいることだけが全てではない。例え負け犬だったとしても、きっとそこから繋がるものがきっとある。そう信じていたい。希望に向かう沢山の人生や生き方が詰まった一冊です。
2016/02/28
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