明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
今まで、山田風太郎の明治小説を6冊(ちくま文庫版)読んできたのですが間が空いてしまいました。架空の人物(元佐賀藩士の弾正台の香月経四郎と彼をフランスから追ってきた死刑執行人サンソンの血を引くエスメラルダ)と実際にいた人物などが出てきて、謎の事件を解決していく連作小説です。「怪談築地ホテル館」は、横溝正史のトリックを思い出しました。最後は山田風太郎お得意の結末のような感じでした。
2024/08/13
雪紫
読友さんからのおすすめ。明治に次々起こる高官殺害事件に(実在人物わんさか)挑むのはフランス人巫女の口寄せ!口寄せ供述がまさかの全編片仮名で読みにくく(そう言えば「大相撲殺人事件」も片仮名だったな)、これ怪作か!?と思いながら最後まで読むと痛快な快作で傑作だ!!?と評価を一変せざるを得ない作品だった。今じゃやたらと溢れ過ぎた連作短編集だけど昔から、こんな隠し玉があったのね・・・・。
2022/08/31
みっぴー
なぜ今まで読まずにいたのか、山風。維新後、新政府が本格的に始動するまでの"空白"が舞台のミステリー。歴史の空白に現れた平安朝の化物、香月。異国の巫女エスメラルダ。そしてギロチン。後の初代警視総監、川路とともに、様々な謎を解き明かしていく歴史ミステリー。これほど自分好みの作品は、中々お目にかかれない。深みのある人物造型や流れるような会話、独立した話が、最後の一話で繋がる構成も見事。ギロチンに始まりギロチンに終わる。夢幻泡影、弾正台よ、永遠なれ。
2017/12/22
かのこ
明治初年、維新後の「空白の時代」。弾正台の大巡察・香月経四郎と川路利良がフランス人美女・エスメラルダと共に、不可思議な事件の謎を暴いていく連作短編集。 歴史上の有名人がバンバン登場し、他の歴史小説でも読んだエピソードが随所に!✨歴史好きにはたまらないー(´▽`*)☆ 地味に川路好きなので、彼がフューチャーされてるのがまず嬉しかったり。笑 作品に漂うどこか不気味な雰囲気が、鬼気迫るラストで爆発するのも感服。 惜しむらくは、外見・容姿の奇抜さに比べ、各登場人物の内的な魅力があまり感じられなかった事かな…
2018/01/14
コットン
ペペロニさんのオススメ本。私の中で著者は伝奇小説、時代小説のイメージでしたがこれは推理小説だったので意外でした。特に最後のクライマックス場面での経四郎の独壇場が映えていました。
2020/02/01
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