フランス白粉の秘密 (角川文庫)
フランス白粉の秘密 (角川文庫) / 感想・レビュー
nobby
国名シリーズ②これぞクイーンという正攻法で論理的に導く消去法推理を堪能♬デパートのショーウィンドウデモ中に死体が転がり出るなんて衝撃的な幕開けをよそに展開されるのは意外にも丁寧で順序立てた捜査。“フランス(French)”や“白粉(Powder)”に騙された気がするけど(笑)殺害場所や時間がそうあるべき事由への立証が素晴らしい!愛書家だから故にされた本への着目も絶品!とにかくシンプルにエラリー目線で不確定要素を潰していくのにもう夢中!最終章60頁の独壇場推理の末に犯人が明かされるラスト一行の斬れ味は抜群!
2023/02/11
優希
面白かったです。若干地味な感じはありますが、証拠や情報の扱い方が犯人をつかむ手がかりとして効果的に使われている印象を受けました。消去法によって絞り込まれる犯人の条件、最後の1行で全てが判明する流れが美しい。本格推理小説とはこうでないとと思わされるロジックに唸ります。膨大な手がかりから唯一の真実に迫るエラリーの華麗さに魅了されました。
2017/01/15
NAO
アメリカの警察組織について詳しくないのだが、一般人が警察委員長になれて、捜査に口出ししたり警官に指示したりできるとか。事件当時がまさにそんな状況で、クイーン警視は委員長に勝手をされないよう、捜査は息子任せにして委員長のお守り役に徹している。委員長に勝手はさせたくないが、同じ一般人の息子はしたい放題で彼の意見は最重要視されるというのもどうなのか・・・。さらに、この事件、かなり早い段階で犯人が分かってしまう。それでも懸命に捜査を続けるエラリーの健気さ、クイーン警視の息子への溺愛っぷりが微笑ましくはある。
2021/06/16
オーウェン
国名シリーズ第2弾はフランス。 フレンチ百貨店の収納ベッドから出てきた女性の死体。それは百貨店のオーナーの妻であり、クイーン親子は事件に取り組む。 死体についている口紅の白粉。 そこから背景に麻薬組織が現れる。 解決はオーソドックスな関係者全員を集めて、犯人の可能性を消去していくという推理を見せる。 そして残された犯人の行動。 ラスト1行で犯人の名前が出てくるので、何ページあるのかとかの確認は厳禁です。
2024/05/26
さるまる
クィーンの国名シリーズ2作目。 相変わらず良い意味でガッチガチの本格派ミステリーです。ロジックが大変しっかりしているので、安心して謎解きに集中できますw 弱点をいえば背景の人間模様が希薄というところでしょうか。この辺りは日本の本格派…といわれる作家さんにもしっかり受け継がれているような気がします。それでもさすがクィーン、いろんなところに趣向を凝らしています。まあ、あの有名な「最後の一行」もその一つです。純粋に謎解きを楽しみたい方のための作品です。
2020/10/14
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