イカロスの流星 (角川文庫)
イカロスの流星 (角川文庫) / 感想・レビュー
まっっは
伝説のTBSプロデューサーの仕事ぶりを実名で描く長編小説。「誠実」「配慮」「愛情」「妥協」といった言葉とは無縁の、実力だけの真っ向勝負の人生。傍若無人な立ち振る舞い、女を取っ替え引っ替え、究極の自分勝手。これを大嫌いな人はもちろん居ることでしょう。ただ、実力勝負の世界に身を置くものとしては、強烈な個性・一切妥協しようとしないスタイル・相手をねじ伏せる豪腕に憧れずにはいられません。自分の感性に絶対の価値を見出しているからこそ、相手に対して絶対に譲らない。スパイスの効きまくった、非常に刺激的な一冊でした。
2016/02/12
fwhd8325
テレビ黎明期の熱気は伝わってきますが、モデルとなるプロデューサーは、どうしても好きになれない。彼らがいたからこそのテレビの普及かもしれないが、彼らの無秩序が今の衰退を予見していたのかもしれない。 読後感の悪い小説でした。
2014/05/14
栄養満点ナス
昭和という時代を、己の才覚で生き抜いたTBSのプロデューサーの話。生き方がとにかくぶっ飛んでいるなという印象。自分の生き方とは完全に対極にある人間の生き方だった。 サクセスストーリーをひたすら見せられ続けられている感覚もあったが、なぜか最後まで読み進めてしまった。有名なジャズシンガーとかが出てくるのは面白くもあった。自分の思うがままに生きる生き方を、少しは参考にしようかなと思った。
2021/01/08
ハシモ
主人公が人間的に好きになれず、うんざりしながら読みました。斜め読みしながらの読書でしたが、東京音楽祭なんかは行儀良いやり方では実現しなかったのかもしれないな、とも思ったり。 タイトルに関しては元々「世界は俺が回してる」だったらしく、そちらの方が合っていたと思います。
2019/09/12
鷹ぼん
「ギョロナベ」と呼ばれた、TBSの名物プロデューサーの仕事、私生活を登場人物もほぼすべて実名で描いた長編。テレビ黎明期から昭和の終わりまで、テレビが楽しく面白かった時代を振り返ることもできるので、楽しく読めた。こういう人たちが跋扈していたから、テレビは楽しかったのだ。今のテレビがつまらないのは、作り手がつまらないからであり、同時に世の中全体につまらない人間が増えたということだろう…。その時代をヒットメーカーとして生き抜いてきたなかにし礼だからこそ書き上げることができる作品だろう。
2012/12/06
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