ヤンのいた島 (角川文庫)
ヤンのいた島 (角川文庫) / 感想・レビュー
ゆみねこ
病院図書室の本。沢村凜さん、初読み。未知の生物「ダンボハナアルキ」に魅せられて南の小国・イシャナイに調査隊として赴いた瞳子は、一人で島のジャングルへ出向き、ゲリラの頭目・ヤンと出会う。瞳子の見る夢とヤンとのつながり。支配される小国の未来の姿。うーん、今一つ集中出来ず感想が書きにくい。
2021/03/29
Mumiu
新種の生物・ダンボハナアルキをこの目で見たい!とZ国イシャナイに行った瞳子。探検隊を脱走して、普通に人道的にゲリラの少年を罠から助けたことでゲリラと行動することに。彼女が出会ったゲリラの中心人物ヤン、そして予言者タタナ。瞳子とヤンは同じ夢を見る。同じイシャナイ、同じヤン、タタナ、瞳子、4つの社会にそれぞれ職業も違う自分たち。パラレルワールドが示す未来とは⁉︎ファンタジーでありながら、イシャナイと同じような哀しみに世界は満ちている。
2015/02/28
アイゼナハ@灯れ松明の火
『世界は我々を憎んでいるのか。どうしても我々のささやかな世界を受け入れてくれる気がないのか』沢村凜の日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。1938年に至るまで発見されずにきたイシャナイ島。手つかずの豊かな自然に恵まれたその島はまた,小国の植民地から独立を果たした入植者と先住民の内戦が続く島…異文化との接触において,浸食する側は同化を求める訳だから罪悪感を感じにくいよね。「触れ合わなければよかった」と言われないためには何が必要なんだろう?富まなければ貧しさを知ることもない。しかし…後戻りはできないよね。
2013/03/05
Lesen
近代になって発見されたイシャナイ島。学術調査に訪れた瞳子は、ゲリラの頭目ヤンと出会う。現在とは違うイシャナイの3つの夢を見る。近代化、植民地化、先住民、国家、貧民国などの問題を問う作品。揺るぎない信念のもと、懸命に生き、闘う人達という根底部分が「瞳の~」や「黄金の王~」に引き継がれていますね。ヤンの「世界はぼくたちを憎んでいるのだろうか」というセリフが突き刺さる。もっと世界が優しかったら良かったのにと思わずにはいられない。そして、この結末は賛否両論分かれそうな気がします。
2014/02/03
ふみ
生物の調査隊員としてある島に上陸するところからはじまるこの物語。ん〜、現実ではそんなとこに調査なんかに行けないでしょ、と突っ込みながらページをめくっていったのですが、いつの間にやら目が離せない!ヤンっていったい何モン?絡みあう夢の正体は?と最後まで走り続けたのです。大好きな沢村さんの作品。お話に登場した『鼻行類』も読んでみよう。
2015/07/11
感想・レビューをもっと見る