雀蜂 (角川ホラー文庫)
雀蜂 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
サム・ミイラ
賛否の分かれるこの作品。あまり期待せず読んだがこれがどうだ面白いではないか!日常の品を武器に代え智力を尽くしての凶暴な蜂との攻防はまるで雪の山荘版ダイ・ハード。さすが貴志祐介と唸らされる出色の出来。一転真実が明かされる後半にはこれは叙述ミステリーだったと気づく仕掛け。ただ残念だったのはラストの切れとテンポがもうひとつだった事か。しかしパニックホラーと叙述ミステリーの融合と考えれば斬新でそれなりに楽しめる。筋立ては違うがS・キングのシークレット・ウインドゥにどこか似た作品だった。
2016/07/15
にいにい
久々の貴志祐介さん。でも、ちょっと、これが角川ホラー文庫なの?『黒い家』、『青い炎』の素晴らしさは何処に。最初のアナフィラキシー・ショック設定の恐怖感や雀蜂との攻防はスリルあり、ユーモアありだったけど、後半はバタバタのやっつけか?作中もやっつけ作品があったし。無理に後半のどんでん返しを取り入れなくて、そのまま雀蜂主体で纏めた方が面白かった気がした。後半のアイデアは、またの機会で良かった感が強かった。次作も読むから、『黒い家』を越えるものを期待したい。
2014/05/04
海猫
雪の山荘で目醒めた小説家の安斎はスズメバチの大群に襲われる。アレルギーなので一回でもハチに刺されると死んでしまう。通信機器も使えずハチとの攻防を繰り返す。一方で誰がなぜハチに襲われる状況を作り出したか?記憶を探って類推。サバイバルの緊迫感とミステリー的な興味で引っ張られ、一気に読める。終盤は思い切った捻りがあり、びっくり。ハチも怖かったが最終的に現れる犯人像に戦慄。こんな人が大事件起こす例って実際多いからね。意外な展開に持っていくため伏線を巧妙に張ってたことに後で気づく。シンプルな作品ながら仕掛けが巧い。
2024/08/11
おしゃべりメガネ
貴志さんにしては珍しく、200Pちょっとの作品です。‘手に汗にぎる’間もなく、アッという間に読了してしまいました。他の方のレビューにもあるように‘物足りない’感は多少なりとも否定できないのですが、逆にコレだけの話を、この限られたボリューム(ページ数)でこれだけコンパクトにまとめるところに、この作家さんの非凡なところ、真髄があると思います。タイトルにあるように「蜂」の描写がありますが、そんなにグロいわけではないと思うので、昆虫が苦手な方でも大丈夫かなと。ホラーというよりはサスペンスよりかと感じました。
2013/10/27
takaC
『胡蜂』と『雀蜂』の使い分けにも深い意味があるのかもしれないけど看破できませんでした。そもそも、”最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!”って、そりゃ手がかりがなければ予測不能だろうさ。
2013/11/18
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