炎上する君 (角川文庫)
炎上する君 (角川文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
8つの短篇を収録。いずれも、ちょっとシュールな趣きの作品。今時、こんなシュールも珍しい。そしてまた、それらの作品のいずれもに作者自身の一部が投影されている。おかしいのは、作家としての偽自伝を語る「甘い果実」。山崎ナオコーラ氏の性別非公表をいいことに、もう好き放題の扱い。もちろん、実名(ペンネームではあるけれど)で。きっと、仲良しなんだろうと思う。どの作品も軽いのだけれど、西加奈子さんの、これまでとは別の側面が垣間見られて、楽しい小説群だ。作家としての幅の広さが感じられるし、今後への期待も高まるのである。
2018/11/01
ミカママ
あまりにも観念的というか、寓話的というか。ロロロロと転がるマンゴーだとか、たすんたすんと叩くドアだとか...の表現を「特異な感性」と呼ぶには、私は歳をとりすぎているのかな。
2016/12/05
ナイスネイチャ
相変わらずの西ワールド。特に山崎ナオコーラさんと実在する人に嫉妬する話は笑えました。表題作も独特。どんな発想したら書けるのか?まっすぐな力でぐいぐい世界に引き込み精気抜かれるような読後感でした。
2017/06/10
ちぃ~
ε-(´▽`) ホッとする一冊。西加奈子さんの短編が八篇。なんか間違ってるって指摘されるわけじゃない、駄目だと言われるわけじゃない、かと言って、全てを受け入れてもくれない。だから、ゆっくり自分でまた、先へ進める勇気をくれる。人の存在を語る作品群。フンワリ感とともにサラッとした読み心地が、そして、後腐れなさもいい。この発想が西さんの強み!(*^-゚)vィェィ♪。益々、西さんを読みたくなる。
2015/07/04
ゴンゾウ@新潮部
西加奈子さんの生み出す空想の世界に浸ってしまった。現実の煩わしさを忘れて空想の世界を漂う。とてもとても居心地の良い優しい世界。ずっとそこに居たいと思う時、そこに留まり続けてはいけないと西さんは引き戻してくれる。決して強引でなく優しく背中を押してくれる。疲れたらいつでも休みに来ていいから。そんな声が聞こえる。
2019/02/20
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