金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲 (角川文庫)
金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲 (角川文庫) / 感想・レビュー
ままこ
バリエーションに富んだ金田一耕助トリビュート集。京極さん、そういえば鬱々とした物書きが彼と出会っていた話があった様な…『陰摩羅鬼の疵』。有栖川さん、〈耕助石〉についての解釈になる程〜。小川さん、倒錯した愛情と複雑な人間関係でまさに金田一の世界観再現。北森さん、コミカルタッチで意表を突く展開。あの美貌の民俗学者らしき人がチラリ。栗本さん、『幽霊座』オマージュにあの人と共演が。服部さん流金田一事件簿。ラストは余韻が残る逆襲。作家陣の個性が出ていて原作は読んでないけど十分楽しめ面白かった。
2019/03/07
セウテス
9人の作家それぞれの、名探偵金田一耕助そして横溝正史先生への思いを形にした作品。今回は、横溝正史賞受賞者のオマージュ作品の「新たな挑戦」よりは、幅広く事件や推理作品以外もある。京極夏彦氏の作品は、自分の作品と重ねて横溝正史先生を描いたもので、ちょっと変わってはいるが味があり如何にも作者らしいと感じる。栗本薫氏の「月光座」は、「幽霊座」のその後という設定でオマージュの例題の様な作品。その他、近田一や錦田一などが登場し面白いのだが、私としては有栖川氏の金田一耕助その人を、どの様にに描くか見てみたかったと思う。
2018/09/03
yu
読了。 金田一耕助に捧ぐ~のタイトルどおりの短編集。 服部まゆみさんの「松竹梅」、赤川次郎さんの「闇夜にカラスが散歩する」がよかった。「松竹梅」は自分たちのことだけしか考えていないとんでもない親娘のお話し。「闇夜に~」は痛快なthe金田一耕助なテイスト。『じっちゃんの名に懸けて!』ってセリフが似合う。 柴田よしきさんの「鳥辺野の午後」も、よかった。女同士の友情って、儚くもあり、ある意味強いものでもある。そのバランスが崩れた時、憎悪に代わる恐ろしさを感じた。
2016/08/07
カナン
ご覧下さいこの豪華面子。初めましての小川さん以外、既に大好きな方しかいません。京極氏の鬱病の彼の視点から始まり、有栖川氏の目から鱗な独自の解釈、小川氏の毒が回るような刺激的な事件簿、北森氏の読者ならばきっと「あっ」と思うユーモア溢れるパロディに、独自の耽美的な世界観を融合させた栗本女史、硬派な文体が心地よい柴田氏、相変わらず花が似合う菅女史、そして服部女史の金田一ときて〆は赤川次郎! こんなに贅沢なアンソロジーはなかなか無い。どれだけ金田一耕助と横溝正史が愛されているか、じっくり堪能させていただきました。
2020/02/20
りょうこ
あの有名な名探偵『金田一耕助』が帰ってきた。それぞれの作家さんで金田一耕助が蘇る。短編集だったけど結構面白かったなぁ。元ネタ読んだ後の方がより一層楽しめるんじゃないかと思いました。
2013/08/01
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