ブギウギ 敗戦後 (角川文庫)
ブギウギ 敗戦後 (角川文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
戦後篇の下巻は、明るく軽快なリズムに乗って、焼跡をたくましく生きていく物語を予想していたのだが、その実は戦前の事件を引きずったままの暗鬱な展開が晴れることはなかった。ミステリーとしては一貫性を保ったとは言えるのだが。たしかに敗戦を境に大きく変わったものが多いのだが、その一方で政治的な権謀術数は変わらなかったともいえる。GHQの占領政策も、日本を平和国家にすることから防共の防波堤へと転換していったのである。下巻はその意味で一層スパイ戦の様相を呈してくる。すべての謎は解けたのだが、暗い未来の予兆だけが残る。
2019/08/14
ロマンチッカーnao
めちゃめちゃ良かった。なぜ、この本がこんなに読まれていないの。って言うのが読後の感想です。敗戦後の進駐軍の支配下にある日本。貧しい。その貧しさは戦中よりもひどいかもしれない。でも、大きく違うのは明日に希望があるところ。自由があるところ。だからこそりりは腰を振り、ブギブギを歌う。しかし、裏には、ドイツの最新科学や日本の731部隊の細菌兵器のデータを奪い合うソ連とアメリカ。女は愛と呼ぶべきもののために生き、男は権力に生きる。
2022/07/26
エドワード
終戦後の東京。和光と松屋がPXになった写真を見たことがある。英語の看板が多く、外国のようだ。日本中にジャズが溢れる。In the Mood。Take the A Train。私の好きなスウィング・ジャズは占領軍とともに来た、と思うと複雑だ。リツはダンスホールで音楽とダンスが舞う別世界を体験する。この世界から離れない、と決意するリツ。Uボートの艦長は戦慄の殺人兵器のマイクロフィルムを持っていた。行方を追う恭輔は仲違いするGHQとCIAに追われる。輝く音楽とスリリングな争奪戦の二重奏、極上のサスペンス、完結。
2013/02/18
takeapple
戦後はドイツではなく勿論アメリカ進駐軍が大きなウエイト、ちょっと期待はずれかなあ。
2018/02/11
ハル
リツが上京して色んな体験をして楽しそうにしているのは素直に応援したくなった。重〜い要素の入った話だったけど一気読みしてしまうくらい面白かった。
2020/11/27
感想・レビューをもっと見る