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親指の恋人 (角川文庫)

親指の恋人 (角川文庫)

親指の恋人 (角川文庫)

作家
石田衣良
角川書店装丁室 西村弘美
出版社
KADOKAWA
発売日
2013-01-25
ISBN
9784041006573
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親指の恋人 (角川文庫) / 感想・レビュー

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優希

あまりに悲しすぎる結末の作品でした。冒頭から衝撃を受け、まんまラストに繋がるというのが苦しい。出会い系サイトで出会った澄雄とジュリア。依存しているかのような2人の関係は恋愛だったのかとふと考えずにはいられませんでした。あまりにも違う世界に住む2人だからこそ、その世界から逃げ合うように惹かれたのでしょうか。耐え難い状況が続くのに、美しさを感じてしまうのが不思議でした。格差社会が生んだ悲劇の恋。ああするしか道はなかったのかと思うと胸が痛みます。

2016/04/28

さっとん

冒頭で悲しい結末になることが示されていて、そこに至るまでが描かれていて、全体的に辛く重たい内容なのですが、びっくりするぐらいサクッと読めました。 良く言えばテンポがいいし、悪く言えばちょっと軽い感じ。 時代背景も含めてもう少し若い頃に読みたかったかな。 感情移入したり引き込まれる感じではありませんがフィクションの物語を楽しむという意味では充分楽しめる作品でした。

2020/06/20

ひめか*

澄雄とジュリア…ロミオとジュリエットなような格差恋愛の話。暗くて悲しくて切ない物語のはずなのに、恋愛のカタチがすごく現れていて美しかった。ジュリアの身にこれでもかと悲惨な出来事が重ねて起きていくのを見ているのが辛かった。私も父親に怒りたくなった。でも一緒にいたい、それが止められない恋なのだ。私も本当に好きなら一緒にいることを選ぶだろう。さすがに心中はしないけど。これは幸せな選択なのか。もっと何か方法があったのではないかと思ってしまう。こういう作品は以前は苦手だったが今は大人になったのかな、面白いと思える。

2016/12/28

いずむ

石田さんだからこそ。この悲しみの結末に、どんな言葉で折り合いをつければいいのだろう。出会ってしまったから、この世界が始まっていて、光があることを知って。恋をしてしまったから、闇のなかにいることを知って、2人で世界を終わらせるしかなくて。”THE ONLY WAY IS UP.”そう言って力強く上を向かせてくれるペンで、ひたすらに力強く、終わりに向かう2人が描かれる。オトナが語る正論。それは現実。だけど、2人の手に結ばれた赤い糸。それが真実。「生きてこそ」なんて言葉で片付けないで。今は2人の幸せを祈らせて。

2013/02/13

なつ

衝撃の冒頭(そのまんま結末。)から始まる物語。若い二人が選ぶ結末はわかっているのに、それでも惹き付けられるように一気読み。耐え難い事が連続して続くのに、綴られる文章は何故か綺麗で。でも哀しい。他に方法はなかったのだろうかと思う。

2016/03/07

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