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群青の夜の羽毛布 (角川文庫)

群青の夜の羽毛布 (角川文庫)

群青の夜の羽毛布 (角川文庫)

作家
山本文緒
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2014-01-25
ISBN
9784041006962
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群青の夜の羽毛布 (角川文庫) / 感想・レビュー

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もぐたん

共感できてしまった。ひどいと思っていた母親にも、狂った父親にも、共依存の娘にも。結局、家から逃れられないのは、誰のせいでもない。簡単なことでもない。母親の言い分も一理あるし、父親のやるせなさもよくわかる。毒親は確かに良くない。でも全て育て方のせいにするのも違う。この人達は、とても真面目なんだと思う。逃げ出せたら、どんなにか楽だろうに、家族を捨てられない。読み進むにつれ「家族」という言葉の呪縛に絡め取られるような息苦しさと、序盤の違和感が一皮一皮むかれていく気持ちよさを味わえる一冊。★★★★☆

2021/08/30

優希

母娘ものですが恐ろしいです。完全に歪んでいますね。厳格で体罰をも繰り返す母、逆らえないさとる、反発しつつ離れないみつる。正直この家族は病んでいるとしか言えませんでした。さとるに惹かれる鉄男も巻き込みながら、母の絶対的支配を感じます。決して安心できる家族ではないけれど、皆が帰る家族なんでしょうね。鉄男もやっぱり母に縛られていて。大切な人同士でなければならないのに噛み合ない辛さが刺さります。母親は酷い人間だけれど、最後にさとるが希望を見せてくれて良かったです。

2015/01/07

taiko

家事手伝いをする24歳のさとるの門限は10時、それを頑なに守っている。さとると付き合うようになったスーパーのアルバイト店員大学生の鉄男から見たさとるの家庭は、普通ではないように思えた。…多少の家族の秘密はどこにでもありそうですが、さとるの家庭の問題はとても深く重い。さとるはその被害者なのかも。さとるの陰湿な雰囲気も、家庭環境にありと思います。鉄男が救いになるのでしょうか。物語の後の展開を想像しても、一筋縄では行かなそうな気がします。みんなが今より少しでも幸せになれたらいいなと願ってやみません。

2019/12/13

olive

本書の初版は25年ほど前の1995年。今ほど認知されていなかったであろう、共依存とか、アダルトチルドレンとか、毒親とか、パニック障害とか、対人恐怖症とかが・・・なんとなんと!!それらがすべてが詰まった一冊でした。プロットが巧みすぎるーーー!!ミステリーでもないのに、騙された!&大どんでん返しのような驚きと、家族とはなんぞや?一人の人間と認めるとはなんぞや?心理的な描写も深くて面白かったです。でも一番は、オカン!何やってんのよーーー!!と誰かと語りたいです(;^ω^)

2021/05/04

ほのぼの

ファンタジックなタイトルと表紙絵からは想像もできない物語だった。厳しい母と二人の娘。張り詰めた空気が伝わってくる。この母娘はいったい何を隠しているんだ?真相を知りたくて一気に読んでしまった。あ〜怖かった。ゾワゾワが止まらない。

2024/07/07

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