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異文化夫婦 (角川文庫)

異文化夫婦 (角川文庫)

異文化夫婦 (角川文庫)

作家
中島義道
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2013-03-23
ISBN
9784041007358
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異文化夫婦 (角川文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

 『私の嫌いな10の人びと』など多数の著書を出す、哲学者・中島義道が描いた初めての小説である。ウイーンを舞台に、48歳の主人公夫婦が息子をキーにした相克を描いた小説。疲れるモヤモヤした気持ちの読後感だ。感動する場面はまったくなく、唯々悲しい、辛いシーンの繰り返しに叩きのめされた。夫の「家族への接し方」を著者は問うているような気がする。エンターテイメント性がまったくない小説を読むのもタマにはいいのかもしれない。これは中島さんの「私小説」なのでは・・・という気もしている。

2014/10/23

D21 レム

まとわりつくような妻にうんざりした。愚痴を言い続け、自分の不幸を夫のせいにして、それに子供も巻き込もうとする母や妻。それでも、夫である主人公は家族に何かを求めている。夫婦は愛し合っているという常識が、実は希有なことなんだと思った。自分の理想や愛に縛られるから、つらくなる。もう愛はいいんじゃないか、一人ひとり生きて行けばいいのかも。困った時には助け合えばいい。しかし、これは「人を愛することはしない」夫目線で描かれていて、妻の目線で書くとどうなるのかな???あとがきでは、妻が気の毒だと書かれていた。ん?

2015/05/16

lily

夫婦、家族間の愛の確執と心理描写をこれほど誠実に忠実に書かれた私小説は出会った事がない。カフカと同じく死後100年後に再燃しそうである。

2019/01/25

Asdf_QwertyZ

ウィーンでの生活が綴られていた。やはり中島先生の筆致は好きだ。

2021/03/10

PPP

★★★☆☆(平成25.3.25)「無意味に生きて、その挙げ句いつか無意味に死ぬだけだ。」母を憎み、家族を憎み、そして空虚な人生観を持ち自己愛を貫き通す康司。“解読不能な変人”に苦悩させられた挙句、“神”に愛を求める妻・多喜子。どこまで行ってもすれ違う二人の重苦しい空気が充満し続ける。大概の人は〝自己愛=悪〟と評して押し隠そうと努力するが… 康司は勇敢⁈にも堂々と主張して、他人を傷つけ、嫌われる。<ひとを愛することができない人間は、生きる資格がないのか?> 愛とは何かーー を問い続ける。

2018/05/15

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