白い封印 美術調律者・影 (角川ホラー文庫)
白い封印 美術調律者・影 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー
カナン
赤と黒を経て舞台は白へ。鬼才ばかりを生み出した形上家の秘密が今明かされる。本来「形上」という表記ではなかった名。影に立ちはだかる実父・黒形上赤四郎と、血を継ぐ皆に流れている神より忌まわしき黒い血の存在。闇に似て無にも似た、真理であり原始であり終焉でもある黒と白の凄絶な明滅。終わりと始まりは同質であり、生死も明暗も互いが無ければ存在できない。母の血の海から救い出された影には、扼殺される事の免れた透明な色が溢れている。澄み切った旋律。柔らかな筆。美を調律する者としての真の才能が開花したところで、残るは最終巻。
2023/02/25
烟々羅
寝不足で頭が働いていない日は、夢のようなホラーが読みたくなる。赤・黒・白の既刊三部シリーズ。赤を読んで怖さを絶賛し、購入したあと長らく放っていた本作に手が伸びた。 わざわざ1の次に3を読むわけもなく、作中過去の事件として音楽の赤、彫刻の黒とあったことが描かれ、飛ばしてしまったことに気づいた次第。本作は絵画の白だ。 あいだ一冊とばしたせいか、怖さの違いが目立つ。 凄惨な事件もすべて抽象的だった第一作に対し、ストレートに、具体的に惨劇が起きるのが本作。 眠気覚ましとして考えればは期待以上だったが、心臓に悪い
2016/04/28
きゅーま
美術調律者シリーズ3冊目。おいしい料理で今流行のペンションがらみで起こる事故死…黒形上の崇拝者と思しきペンションオーナーに探りをいれるチーム三島だが、思わぬ悲劇が…!? 形上家の系譜に隠された秘密に肉薄するもそのおぞましい秘密は影の心にも重くのしかかり…いやはや、なかなか決着つきませんね… そしてついに身内に犠牲者が…うう…寂しいものですね… そして「名状しがた」すぎてクトゥルフ的な真相を想像してしまいますが…
2013/04/23
マカ
美術調律者シリーズ第3弾。形上家の家系の一部?が明らかになった。けどまだまだ分からないことも・・・影と父の対決の決着はまだつきそうにない。今回はグロさが抑え気味だったけど、遂にチームから犠牲者が!!影の理解者だったのに何故殺しちゃったんだー!!そんな身近なところから犠牲者出さなくても・・・影が心配だ。
2014/09/20
あいちょ。
前作で読むのを止めるつもりやったに、結局買ってしまったよ…。 そして、まだ続くんだろうね、これ。
2013/05/02
感想・レビューをもっと見る