隣之怪 第三夜 病の間 (角川文庫)
隣之怪 第三夜 病の間 (角川文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
木原浩勝さんの少し長めの実話怪談シリーズ「隣之怪」の14編を収録した第三夜です。表題作『病の間』は、人が泊まると必ず死ぬと言い伝えられて来た友人の家が舞台の恐ろしい物語で本書中では最恐だと思いますが、この話でも主人公と友人の二人とも最後に結局は命が助かる所から見て私は著者が意外と優しい性格の方なのだとにらんでいますね。私が好きなのは冒頭の『自動ドア』で寿司屋の常連客のお爺さんが亡くなってから一日の一定時刻になると誰も人がいないのに勝手に自動ドアが開くという他には祟りや実害の欠片もない穏やかな怪異譚ですね。
2020/03/01
☆kubo
「病の間」より「鬼術」の方が読み応えあったな。ホラー映画みたい。木下さんが助けてくれなかったらどうなっていたのか…術をかけた人に一体何があったのか、知りたいような、知りたくないような。
2013/07/03
緋莢
有数の古い家柄で、広い家。そこには「病の間:と呼ばれる部屋があるという。泊まった人間が逃げ出し、その後、死ぬという曰くつきの部屋に、興味本位でカメラをセットした私。そこに映っていたものとは・・・表題作他、14編が収録された怪談シリーズ第3弾。
2016/01/12
みくろ
隣之怪シリーズ第三夜。新耳袋や九十九怪談とは違って1話ごとの話が数頁長いのと一人称の語り口で本当に怪談話を聞いているような気分が味わえます。その分なかなか一発KO型のインパクトはないのですが、じわじわ怖くなってくるのがこのシリーズの特徴でしょうか。今作は呪いや怨恨など女って怖ぇぇ…な話も多いですが、個人的には「肝試し」が一番怖かった。内容的には自業自得といえるし実話かどうかは関係なくありがちなストーリー展開ではあるのですが、その代償が怖すぎる。今まで読んだりした中でもここまでの仕打ちはそうそう無いはず。
2013/06/27
陽介@中四国読メの会参加中
文体が体験者の語りという形なので、客観性は薄れてますがその分より臨場感溢れてて、入り込めた時の怖さはかなりのもの。けどどちらかと言えば、新耳袋とか九十九怪談とかの方が好みです。
2013/06/27
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