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死者のための音楽 (角川文庫)

死者のための音楽 (角川文庫)

死者のための音楽 (角川文庫)

作家
山白朝子
出版社
KADOKAWA
発売日
2013-11-22
ISBN
9784041010761
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死者のための音楽 (角川文庫) / 感想・レビュー

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いつでも母さん

じんわりと心に沁み込む短編7作。どれも良い。青白い陽炎が見えるのに手を伸ばしても掴めない感じ。哀しいのに優しくもあるんだ。どこかに忘れてきた感情を鋭い絹の糸で根こそぎ抉るようでもある。怖ろしい、山白朝子は言葉を感覚を操るから堪らない。私はもうその世界に取り込まれたのかもしれない。そばに置いて何時でも何度でもその世界に浸りたい。

2018/06/15

nobby

乙一作品も2作読了だけなので、別名義としての作風の違いは分からない。それにしても何とも惹き込まれ、余韻残す秀作7編。そこに描かれるのは心霊、怪奇現象、鬼や巨鳥などの怪物と多岐に渡り、時には曖昧な結末にゾワッと、あるいは圧倒的な恐怖とグロさにゾクッとさせられる。その上で、最終編では人の最期を音楽になぞらえ美しく愛まで語ってしまうのは反則!個人的には「井戸を下りる」「黄金工場」での読み進めて匂わされる不穏さと哀愁がお気に入り。「鬼物語」「鳥とファフロッキーズ現象について」での迫力あるドキドキ描写もたまらない。

2018/05/03

モルク

ホラーファンタジー7編。幻想的な幽玄の世界に引き込まれる。どの作品も怖いというより哀愁を感じる。「井戸を下りる」「鬼物語」「鳥とファクロッキーズ」そして表題作の「死者のための音楽」余韻が残り、いつまでもその感慨にひたっていたい。

2018/06/06

aquamarine

どの短編もとても良くて、一つ読み終わるごとにため息をつくほど好みでした。怪談であり、どれもが幸せなラストとは言えないのに、なぜこんなにも優しく切なく心をつかむのでしょう。特に「鬼物語」、「鳥とファフロッキーズ現象について」はまるでその場に居合せたように情景が浮かび、涙がこぼれそうになりました。「井戸を下りる」や「黄金工場」の独特の雰囲気もとても好み。ラストの「死者のための音楽」にちょっと死ぬ時がが楽しみになったのは内緒です。

2018/04/15

りゅう☆

父娘の『長い旅の始まり』にずっと一緒という幸せより儚さが漂い、子どもたちに語る父の過去は『井戸を下りる』ことによって光はなくとも家族の温かさがあり、簡単に手に入った黄金が永遠であるわけではなく人間の強欲に悲しくなった『黄金工場』、像に命を吹き込む少女は鬼だったのか?『未完の像』でよかったと思い、お互いを思う姉弟愛に感銘するからこそ生きてほしいと願う『鬼物語』、自分の願うことを叶える『鳥とファフロッキーズ現象について』裏切りと信頼が悲しい結末となり、死者への慈悲なのか?眠りにつけるなら是非とも聴いてみたい→

2018/01/12

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