人間臨終図巻 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
人間臨終図巻 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫) / 感想・レビュー
かのこ
古今東西様々な著名人の“死に際”を集めた記録文学。上巻は、十五歳で死んだ八百屋お七から五十五歳で死んだ大川橋蔵までの死が綴られる。三浦しをんさんの書評本で紹介されていて読んでみたい!とすぐ図書館に借りに行った。歴史好きとしてもミステリー好きとしてもこの本は絶対に楽しめると確信したのだが、やはり面白い…。上巻は若くして死んだ人ばかりなので、凄惨な死にざまばかりだけれど、山風先生の淡々とした記述と時に見せるブラックな毒っけがいい。○○で死んだ人々の冒頭を飾る死にまつわる惹句もどれもなるほど…と思わせられる。
2020/11/11
ぐうぐう
奇書、と呼んでいいだろう。古今東西の著名人臨終の様子を綴る『人間臨終図鑑』には、なんと923人にものぼる人物が取り上げられている。その膨大な数にまず驚かされるが、インターネットのない時代(雑誌連載は1978年から1987年)にこれほどの数の人物の臨終場面を記すにあたって、山田風太郎は膨大な資料にあたっただろうし、しかもそこから何を抜粋し、どう記すかを考えなくてはならないのだから、それだけで途方もない作業だと理解できるのだ。また、構成が実に効果的で、(つづく)
2024/09/19
かおりんご
読メで知った本。10代から55才までの有名とおぼしき人たちの死に様が、たんたんと綴られています。結核や脳溢血、癌が多いんですが、なかには自殺や処刑もありました。あまりにもさらっと書かれていて、死は、本当に身近なんだと思ってしまいます。自分がいつ、どのように死ぬのかは、自殺以外では選択のしようがありませんが、だからこそ日々を大切にしていきたいと思いました。何て考えていたら、栗城くんの訃報、、、平均寿命が自分にもあたると考えちゃダメですね。
2018/05/21
すーぱーじゅげむ
古今東西のエラい人、スゴい人、変な人、アーティストの死にざまカタログです。一番面白いのは、徹底して順不同なところ。32歳で死んだ人々:キリスト/坂本龍馬/ジプシー・ローズ(日本のストリッパー)/若松善紀(鉄道爆破犯)。これが横並びなのがすごい。暴君ネロの往生際の悪さと、辞世の句で笑いをとりにくる高利貸しが面白かったです。
2024/10/10
みなみ
歴史上の人物の臨終の様子を亡くなった年令順にまとめた奇書。上巻には10代から55歳までが収録されている。人によって内容に差はあるものの、臨終で発した言葉等を読み進めていくと、どうしようもなく切なくなった。死ぬ直前にはその人の本性が表れるということなのか、安らかなものより無念さや生への執着心の方が多く感じた。月並みなだが、後悔のないように生きないとなぁ…
2018/02/02
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