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からまる (角川文庫)

からまる (角川文庫)

からまる (角川文庫)

作家
千早茜
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2014-01-25
ISBN
9784041011720
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からまる (角川文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

大好きなタイプの連作短編集。ひらがなで綴られた各章のタイトルが、やけに色っぽい。みんな複雑にからまりながら、必死に生きているんだよね。

2016/12/02

さてさて

『本当は傷つけ合ってもいいから、絡まり合わなきゃいけなかったのに、一人きりでこんがらがっていたのかもしれない』。七つの短編が人と人との絶妙な繋がりによって見事な連作短編を構成するこの作品。そこには視点の主を務める男女七人それぞれの生き様が描かれていました。それぞれの主人公たちがお互いの人生に影響を与え合っていく様が連作短編としての奥深さを醸し出すこの作品。そんな作品を彩る千早さんの鮮やかな比喩表現にも魅せられるこの作品。人は一人では生きてゆくことはできない、読後にそんな言葉を改めて思い浮かべた作品でした。

2023/06/07

❁かな❁

【月イチ再読】千早茜さん大好きで最新刊以外全部既読。7編の連作短編集。各章の視点が変わり登場人物達のことが少しずつ見えてくる。緩やかにからまり合う関係。透明感がありしっとり湿り気のある雰囲気。千早さんは言葉にするのも難しいような想いも優しく淡く丁寧に描かれる。全ての章のラストが素敵♡「まいまい」「あししげく」良かった♪「ゆらゆらと」「うみのはな」で田村と華奈子の関係もいい。「ひかりを」で涙。絶妙なバランスで人間関係や本当の気持ちを描かれていて自然と気持ちに寄り添える。千早さんの作品の中でも特にお気に入り♡

2018/06/23

ナイスネイチャ

連作短編集。揺蕩うしい雰囲気で生きて行くことに苦悩する主人公たち。生の裏側は死?性?無?凄い描写だなぁ~。特に金魚を死なせた下りは唸りました。

2016/04/21

dr2006

人の肉体の内と外を隔てている「殻」は皮膚で、肉体は外へ出られない。一方で心は物理的な皮膚がないから、自尊心や自意識と言う名の殻が邪魔さえしなければ外に出られる。恋愛の概念は人それぞれだが、心のさらけ出し具合、絡みの深さで違うものとなる。他人と関わろとしない人は、他人が頓着しない自尊心を守ろうとしているのかもしれない。主人公達はみな、絡みあうことを避けず、傷つけあっても良いからからまっていく必要があったのだ。千早さんは2冊目、淡いようで艶やかな描写が好き、ちょっと観念的だけど瑞々しい。人と触れ合いたくなる。

2016/12/06

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