永遠 (角川文庫)
永遠 (角川文庫) / 感想・レビュー
じいじ
初読み作家。何ともモヤモヤする読了感だ。大人の不倫をテーマにした話だが、後半からはミステリーな展開を思わせる。主人公由樹は、離婚して自活するキャリアの39歳の女。その恋人は、妻子ある将来を期待される42歳の政治家・柏井惇。由樹は初めて交わした男との過去を心の奥底に秘めながら、惇との逢瀬を重ねる。男の名誉を守るために、時には偽りの笑顔を他人に見せる健気さも・・。政治家の不倫の恋や女遊びは、今も昔も取り立てて珍しいことではないが、政治家の必然性がいまひとつピンとしない。別作品を読んで、この著者を判断したい。
2015/06/16
きりこ
小手鞠るいさん、アンソロジー「恋のかたち、愛のいろ」の短編に続き2作品目。簡潔な文章でとても読みやすかったです。情景が浮かんでくるような丹念に描かれた日常のひとこま。そういう場面は良かったけれど 「永遠」の意味する所がよくわかりませんでした。20年間も憎しみと愛すること、相反する想いを人は抱えて生きることができるのだろうか。真山が歩んで来た人生の哀しさに言葉もない。真実が見えて来た時、由樹がどう決断するのか、サスペンスのような展開はドキドキしました。
2014/03/23
らむり
切ないなぁ。。
2014/03/26
June
この小説の内容を簡潔にまとめてしまったら、それは嫌悪感を覚えるつまらないものになる。でもここには、39歳の女性の、関わった男性に対して抱いた複雑な思いが、とても静かにせせらぎが流れるように語られている。この女性は真摯に仕事に向き合い、一時の感情で行動を起こすような愚かなひとではない。一方、甘言に、期待に、抱擁に、女はなんと愚かになれるのだろう。最後の一行「心と体のなかで、長いあいだ壊れたままだった方位磁石が、進むべき道をはっきりと示していた。」終わり方は清々しい。力作だと思う。石田衣良さんの解説がいい。
2016/10/25
ワニニ
初読作家さん。表現は魅力的なのだが、私の理解力が低いせいか? 題名の意味が掴みきれなかった。そして、由樹の考え&気持ちと行動に説得力のなさを感じ、妙に純粋な部分が、最後はあらぬ方向に汚れ、かつ恐ろしい展開に話が進んでしまうのを消化できなかった。いろいろ思わせぶりなコトやヒトを配しているが、放りっぱなしという気も…。由樹は何だかんだ言っても、自分に自信があるんだろうな~。自己肯定感が低い私には、ひとりよがりなまま突き進む主人公に、感情移入できないというだけかもしれないので、もう一回読んでみる?必要ない??
2014/03/15
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