夢違 (角川文庫)
夢違 (角川文庫) / 感想・レビュー
hiro
恩田さんの小説5冊目。映画館で「悪夢ちゃん The 夢ovie」の予告編を観て、映画化の原案ということでこの本に興味を持ち、読んでみることにした。読み始めると確かに映画の予告編とは雰囲気が全く違い、原作でなく原案ということに納得した。予知夢、白昼夢、悪夢、夢判断、夢を映像化した夢札と、読んでいると‘夢と現実’が入り混じった不思議な世界に迷い込んだ気がした。500P近い小説だが、中盤以降は恩田さんがこの不思議な世界に、どのようなエンディングを用意しているか、ワクワクして読んだ。八咫烏に予選突破の夢を託そう。
2014/06/20
遥かなる想い
夢を題材にした物語である。 夢を録画し、解析する時代に 予知夢を見る 古藤結衣子の死の謎を追う…著者独特の 静謐で 幻想的な世界が 不思議な雰囲気を 醸し出す…結衣子の存在を信じ、過去を 探る…最後は ひどく心温まる夢の世界だった。
2022/05/11
優希
夢の可視化が現実になるとしたらと考えると鳥肌が立ちます。白昼夢や予知夢などが語られていく中で、今が夢なのか現実なのか曖昧になっていく怖さがありました。明確に言えない現象が起きれば起きるほど、自分は何処に立っているのかが分からなくなります。どんどん曖昧になっていき、その感覚のまま物語が終わる感じでした。夢か現かの境界のないままのラストが全体を不思議な雰囲気のままにするのが良かったと思います。夢の中を彷徨うのではないかという思いにさせられますが、それがこの本の魔力なのでしょう。
2015/09/14
りょうこ
文庫化を待っていた本!以外にスラスラ読めた。途中まで読んでて、恩田さんの持つホワフワとした掴み所の無いような感じが、まぁ結末どうなってもいいや!この雰囲気味わおう!って気にさせてくれたので、特に飽きもせずゆっくり読了!
2014/03/21
rio
夢がデータとして記録される時代、夢判断を職業とする主人公のもとに奇妙な依頼が舞い込むサスペンス。小学校で多発する集団白昼夢、クラス丸ごとの神隠し等不思議な事件が起きる中、すべての事件にかつて予知夢を見る者として一世を風靡した女性の影がちらつき出し、静かに忍び寄る不気味さがありました。物語自体はホラーな様でいて、「夢」に纏わる謎を解くミステリーの様でもあり、また悲劇的な人間ドラマの要素もあるという、様々な角度から楽しめます。夢と現実の区別が曖昧になる不思議な1冊でした。
2014/06/02
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