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パロール・ジュレと魔法の冒険 (角川文庫)

パロール・ジュレと魔法の冒険 (角川文庫)

パロール・ジュレと魔法の冒険 (角川文庫)

作家
吉田篤弘
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2014-02-25
ISBN
9784041012598
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パロール・ジュレと魔法の冒険 (角川文庫) / 感想・レビュー

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mocha

孤独なつぶやきが凍って結晶になる国・キノフ。その秘密を探るため、諜報員フィッシュは本の中を泳いで潜入する。口当たりのいいタイトルに騙されてはいけない。魔法にかけられるのは読者。どんな魔法かもわからないまま湿った灰色の霧の中を彷徨う羽目になる。あちらでピカリ、こちらでキラリと輝く宝石のような言葉。奇想と哲学的な会話の奔流に言葉酔いしそうだ。一方で、たっぷり時間をかけて読み解きたい誘惑にもかられる。ストーリーより言葉を味わう物語。

2017/09/21

ユメ

書物の中に潜り込む能力を持つフィッシュが探るのは、呟かれた言葉が結晶となる〈パロール・ジュレ〉の秘密。彼を追う辣腕刑事、ジュレを読み解く〈解凍士〉、パロール・ジュレに関わる人々の物語が一つの大きな流れとなって「言葉」をめぐる。自分がこの本に潜航してきた感覚。もっとも、物語に耽溺した私にはフィッシュの資質はなさそうだ。吉田さんの言葉選びに対するこだわりも相当なもので、何気ない地の文一行拾っても惚れ惚れする。皆がこれだけパロール・ジュレに惹かれるのは、人を人たらしめているのは言葉に他ならないからだろうか。→

2015/06/25

里愛乍

表紙のセンスに感動し、目次の項目というかタイトルのひとつひとつにわくわくしてページをめくる。マジカルファンタジー☆なんてあるからもっとポップでオシャレな小説かなと思っていたら、諜報員とか極秘任務とか機密とか。なにやらハードボイルドな雰囲気が漂い始める。ここからはストーリー云々よりも、彼らの思考、会話の流れを追っていくことにした。実際ストーリーの流れを立ち止まらせる一行や会話、言葉が印象に残る。誕生日やヴァイキングのくだりは面白く、終盤の対話には迫力さえ感じられた。

2017/05/02

めろ

言葉が凍りつく国、キノフ。そこへ送り込まれた諜報員とそれを追う刑事。四人の解凍士と水晶の眼を持つ女。言葉と言葉が重なり合い、言葉と人が繋がり、世界が広がる。自分がどの地点にいるのか見失ってしまうようで、この深く美しい世界に必死にしがみついていた。個性的な登場人物と魅力あふれる街の描写、切ないラストがとても印象的でした。

2014/04/01

Eee

不思議な世界観に包まれた作品でした。話が進むにつれ、主人公たちが誰なのか何者なのかが明らかになってきた。ある独り言が発せられた瞬間、凍りつきパロール・ジュレができあがる。言葉は心の中と外界に存在する。駆け引きしたり、回想したり、本当のことを伝えるのは難しい。幻想的な世界観は吉田さんそのものでした!キノフという町、私はロシアの一角を思い浮かべながら読んでいました。素敵な世界観です!

2015/03/11

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