バスカヴィル家の犬 (角川文庫 ト 16-5)
バスカヴィル家の犬 (角川文庫 ト 16-5) / 感想・レビュー
absinthe
ホームズの最高傑作かも、という有名作品。実はabsintheは初読み。面白かった!『まだらの紐』を思い出すホラーの雰囲気。本作は、ホームズ不在でワトソン一人の描写が長い。ワトソンが推理しながら屋敷や周辺人物を観察する描写がかなり続く。Xファイルじゃないので「超常現象でした」で済まないことは分かっているのだが、ワトソンなりの推理や観察は、物語の不気味な雰囲気を上手に盛り上げている。
2022/05/24
こーた
ホームズ長篇三作目。一族に伝わる魔犬伝説。迷路のようなムア(荒野)を舞台に、呪われた名家と、そこへ迎えられる若き相続人、と云った関係は、金田一耕助の傑作『八つ墓村』へ連なっていそうだから、不思議だ。探偵役があまり出てこないあたりもよく似ている。中盤、これなんの話だったっけ?となるのも僕好みの展開で、なんかもう、犬関係なくね?とおもいながらワトスン先生といっしょに右往左往するのが愉しい。ホームズ物語には都会的な話が多いが、今回は荒涼とした地方のロケーションが素晴らしく、ちょっとした旅行気分を存分に堪能した。
2023/12/01
aquamarine
多分数十年前児童書で読んで以来のバスカヴィル家。舞台はロンドンを離れたダートムア。少し前に写真を見ていたので荒涼とした大地をイメージしながら読むことができました。新訳は特に癖もなくすっきりと読みやすかったです。きちんと伏線の張られたミステリらしいミステリだと感じました。結構覚えていたところもあったのですが、抜粋された児童版とはかなり違うんでしょうね。感想としては、ワトソンに頑張ったね、と労いつつ、最も大事なことは何か忘れちゃいけないと叱咤したい、というところでしょうか。久しぶりのホームズ、堪能しました。
2017/07/05
おか
シャーロック ホームズ長編の3作目。何度読んだだろう、でも 読む度に底なし沼や 霧の深い荒野、そして光る、、、に恐れおののく。小学生の頃 姉の本棚にずらーっと並んでいたシリーズを夢中になって読んでいたのを思い出した。あの当時 ホームズは私の理想の男性だった(//∇//)ロンドンに行って ベイカー街をうろついてみたかった(//∇//)今作の表紙絵は 当時私の憧れていたホームズとはちょっと違う それが残念 笑
2018/11/08
ミカズキさん
一族に伝わる呪われたバスカヴィル家の魔犬伝説。闇の時間帯には荒れ地(ムア)に出ていかぬように。当主チャールズの遺体の周囲に巨大な猟犬の足跡。莫大な財産の相続人ヘンリーを屋敷に案内するところから事件は始まる。"ムアに近づくな"と文字を切り貼りした手紙。ヘンリーに付きまとう謎の男。ワトスン君、舞台設定としては理想的だよ。悪魔が人間界にちょっかいを出そうとたくらんだならば。ワトスン、君の推理の誤りに注目することで真相に行き着く場合もある。奇異で風変わりな謎ほど、念入りに調べる価値があるんだ。
2023/07/14
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