星やどりの声 (角川文庫)
星やどりの声 (角川文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
『桐島』以来の朝井くん(なんか、「くん」がぴったりくるんだよなぁ)。あとがきで早稲田の先生が彼をして「耳の作家」仰ってるように、彼の書く文章は、リズムが抜群。がんで亡くなった父親を囲んで、残された6人兄弟・姉妹の物語なんだけど、彼の文章がほかの(誰とはいわないが・笑)中年作家さんと大きく違うのは、この年代の子ども・若者たちの描写がものすごい自然。そりゃそうだよな、目線が同じなんだもの。ラストは少々作り込まれすぎな気もするけど、大変よろしかったです。
2017/11/26
あまみや
とある家族のお話。すでに亡くなってしまっている父と、その父が経営していた喫茶店「星やどり」を引き継ぐ母、それと6人の子供(男3人、女3人の兄弟)。それぞれに悩みがあって、それぞれに個性があって、人間らしさをすごく感じた。個人的には三男の話がお気に入りです。最後にすべて回収されたのでその点も満足です。
2024/09/04
おしゃべりメガネ
『桐島~』『世界地図~』以来、約1年ぶりの朝井さん作品です。正直、まだ2作しか読んでいないので何とも言えなかったのですが、個人的にはそんなに好きなほうの作家さんではありませんでした。‘若さ’が武器なんでしょうが、その‘若さ’がどうも自分には馴染まず・・・でしたが、本作はこれまでの朝井さんアレルギー?を完全に吹き飛ばす素晴らしい作品で、すっかりハマってしまい、もともと文章はキレイだなと思う作家さんでしたが、こんなに表現かつ表情豊かに書かれる作家さんだとは。さすが最年少での〔直木賞〕受賞はダテではないですね。
2016/03/14
ナイスネイチャ
父を亡くした三男三女の話。父親を亡くした事でそれぞれ我慢しながら生きている様に涙しました。感想ではありきたりになりますがふっと存在させる言葉の数々は流石。心が洗われました。
2015/07/28
hiro
父親を癌で亡くし、‘星やどり’という名の喫茶店を切り盛りする母親と姉妹兄弟6人の家族の物語。この本は六章で構成されており、長男の章で始まり、三男、二女、二男、三女、そして長女の章の順で話が進み、最後に父親が‘星やどり’に込めた意味が明らかになる。中盤以降は、その先が気になって一気に読んだ。読み終えて朝井リョウという作家は、男女を問わず現在の高校生・大学生を描かせれば、右に出るものがいないと改めて感じた。この本で描かれていたものは、この後の朝井作品の『何者』と『世界地図の下書き』につながっていた。
2015/05/05
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