就職相談員蛇足軒の生活と意見
就職相談員蛇足軒の生活と意見 / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
博士号有り、希少種ホラホラ属を専門研究とし、人と喋るのは苦手だが突飛とも言える妄想力は人一倍なシーノ。シーノの就職に対しての嘆きと呪詛に現在、内定0の私としては思い当たる節が多々、あって苦笑するしかなかったです。しかし、ぽにいの話からのシーノ蒸発にはまさか、泣くとは思わなかったです。研究者を使い捨てにする企業、許すまじ。そして人生はまさに「塞翁が馬」(時)と「一期一会」(人)なのだ。金魚のいちゃぽんといい人な黒輝斎さん、謙虚で健気なロボット、ぽにいが好きです^^あまんどのお菓子、食べてみたいです!
2014/10/23
hirune
表紙の印象的なヒグチユウコさんの絵。この鯉ほど大きいらんちゅうは名前を「いちゃぽん」といい、丸くて甘いものを大量に食べて日々巨大化してます^^;本の内容も負けずにキテレツなシュールな世界。不死身の男も不死の怪物も超能力者も超絶に優秀なお掃除ロボットも、嘘術家元兼特殊就職相談員がたいそうお気楽に職を斡旋していきます。まぁ 変わってる、一筋縄ではいかないけど楽しかったですよ☆不思議な世界好きだしね♪
2016/05/15
nyanco
あ~、楽しかった!「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞された松崎さん、理系小説が相次いだ中、受賞作は少し硬さが感じられたものの、設定の妙、理系大学の学究員の様子の描写が面白く、気になる作家さんでした。第二作目の「代書屋ミクラ」で、ぐっと成長を感じさせ、一気にファンになりました。今回も蛸足大学卒業者のお話。27歳、博士号取ったものの無職のシーノ。研究職に就きたいが仕事が無い。これもみんな「博士増員10万人計画」のせいだ!と、国の政策を呪うシーノ。あれ、これって嘘?、ホント? 続→
2014/07/01
らむり
大学院で博士号を取得したものの、研究職に就けず、仕方なく家元秘書になった女性が主人公のSFファンタジー。この世界、キライじゃないわ。「代書屋ミクラ」もそうだったけど、この作家は平仮名好きだなー。何か意味あるのかな。。
2014/06/20
punyupunyu
博士学位を取得して職がない。深刻だ。高学歴だけにつぶしが効かないというけれど。一つのことにこだわり深みを極めたい人と世間の風に吹かれるのを恐れ閉じこもりたい人といるように思う。「研究者には研究者なりの協調性と社会性が要求される」、確かにその通りだ。著者の作品では、端々に、過剰な博士学位取得者を生み出した風潮を嘆く論調が見受けられる。本作では、高度な人工知能を搭載した自立型掃除機が愛らしく描かれていてほのぼのとしました。
2015/01/10
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