あこがれ: 石川啄木詩集 (角川文庫 し 1-1)
あこがれ: 石川啄木詩集 (角川文庫 し 1-1) / 感想・レビュー
nobody
樋口一葉の著作には文語体で出す意義が大いにあるが、本書にはない。本書を読むよりは、『源氏物語』を原語で、聖書を英訳で、ノストラダムスの詩を翻訳で読む方が意義がある。文意が掴めぬどころか単重複文構造すら判然としない(助詞「に」「と」のクセのある用法が一因)。「詩集『あこがれ』」は取り付く島もなく「『あこがれ』以後」も相当なもので、最後の僅か20ページの「詩稿ノート『呼子と口笛』」でようやく「悲しき玩具」の明快性に再会できる。解説子俵万智も「『あこがれ』は、肩に思いきり力の入った詩集だ」「けれど、詩を読む一人
2020/05/30
東京湾
「あこがれ浄きを花靄匂ふと見て、二人し抱けば、地の事破壊のあとも追ひ来し理想の影ぞとほゝゑまるる」燦々と輝く青き魂の火照り、荘厳に迸る若き情熱。石川啄木の詩作の嚆矢である散文詩集。後の『一握の砂』に見える愁いや哀切などとは対極の、豪奢なまでに叙情的な愛と情熱の焦がれに満ち満ちており、少々面食らった。しかし併録された「呼子と口笛」で語られるテロリストの悲しみなどは「あこがれ」とはうって変わった切実さがあり、啄木の詩作が変化する兆しを垣間見ることができる。
2020/01/21
mayuri(Toli)
石川啄木の詩をきちんと読むのははじめてな気がする。詩集あこがれのなんという清美な浪漫に溢れていることか。読んだ時の衝撃は一寸言葉にできない。啄木がこんなに素敵だったなんて。夢中になってしまいそうだ。何度も読み返したい。
2021/06/28
鑑真@本の虫
石川啄木ワールドの始まり。まさしく魂や愛の籠った詞が多いように感じた。
2012/09/01
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