ののはな通信
ののはな通信 / 感想・レビュー
starbro
三浦しをんは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、(同性)恋愛往復書簡大河小説でした。もっとライトな内容かなと思ったのですが、かなり濃密なヘビー級で、読み終えるのに体力を使いました。最終的に二人のハンサムウーマンが紛争地域と被災地で活躍することになるとは・・・想定外の結末でした。本書は、今年のBEST20候補です。【読メエロ部】
2018/06/08
ウッディ
クラスメイトとして出会った「のの」と「はな」。二人の友情は愛情へと変化し、互いを想い合いながらも、様々な経験を経て別々の道を歩む。通信手段が手紙からメールになり、20年以上続く往復書簡は読み応えがありました。返信がないと書いた内容で気分を害したのではという手紙ならでは緊張感がありました。深く愛した経験はその人の核となり、その後の生き方に大きな影響を与える。二人が出会ったことは、二人にとって幸せだったのかと色々と考えさせる一冊でした。その後のはな、為五郎さんの行方など少しモヤモヤは残りましたが、面白かった。
2019/02/18
ヴェネツィア
ある時は箱根駅伝、そしてまたある時は便利屋稼業、はたまた林業にも。変幻自在、稀代の物語作家、三浦しをんの今回はなんと百合小説。着想の原点になったのは、おそらく太宰の『女生徒』だと思われる。往復書簡の形式はルソーの『新エロイーズ』からか。物語の舞台の聖フランチェスカは、作家の母校、横浜雙葉中高校がモデルだろう。「のの」と「はな」それぞれの造形が絶妙。しかも、二人とも次第に成長してゆくにつれて文体も変化してゆく細やかさ。どのように収束するのだろうと思っていたが、もうこれしかないエンディングであった。⇒
2024/08/24
うっちー
色々と重たいテーマでした
2018/06/27
風眠
中身は物凄くいいのに、パッケージがちょっとダサい商品。何だかそんな感じで、この本、損してると思う。読み始めると、タイトルと装丁の可愛いイメージとは違う展開に戸惑うし、読み終わると、濃密で骨太な愛の物語には軽すぎるタイトルだと不満に思う。そういうところで損してる感じはあるけれど、中身は文句なしに素晴らしい!読み終わり、私は『舟を編む』で語られた恋の定義についての記述を思い出した。女と女、だからまっすぐには進めない苦しさがある。愛の表し方もまっすぐじゃないけれど、心と心が繋がるってきっと、こういうことなのだ。
2018/06/24
感想・レビューをもっと見る