新訳 思い出のマーニー (角川文庫)
新訳 思い出のマーニー (角川文庫) / 感想・レビュー
優希
つかみどころのないふわふわとした感じがしました。家族を亡くした孤独な少女・アンナのひと夏の体験に心があたたかくなります。海の近くの田舎町を訪れたアンナが不思議な少女・マーニーと出会ったことは奇跡の物語の始まりだったのでしょう。マーニーとの友情で心がほどけていくのが印象的でした。美しい海と田舎の情景が浮かびます。マーニーが一体どんな存在だったのか、それは最後に思いもよらない形で繋がるのが素敵でした。幻想的で美しく、愛を感じる物語です。映画も見てみたかったです。
2015/08/15
seri
英国児童文学の定番をしっかり踏まえながらも繊細で大胆なストーリーテリングに最後は一気読み。読み返してみてもこの構成は素晴らしいの一言。アンナの孤独の痛々しさ、マーニーとの出会いから別れ、そして変わる景色。流れるようでいて感情の描写が細やかで。「あなたのことが大好き」全てを受け入れることは自分をも許すこと。この一言で少しずつ変わっていくアンナの世界。そこにある愛情も幸せも、気付けるかどうかは自分次第。英国児童文学の良さを再認識させてもらいました。訳も読みやすいので翻訳物が苦手な方にもおすすめしたい。
2016/01/09
tokotoko
この本は、自分のこれまでを振り返って違和感というか、「ちょっと周りに理解されてなかったかなぁ!?」って思う方にぜひ、読んでほしいです。タイトルで、マーニーが主人公かな?って思うかもしれませんが、主人公はアンナちゃんです。かなりトンガってます。でもそれはきっと、いろんなことをわかりすぎてる・・・せいです。そのアンナちゃんが旅に出るところからのお話です。あっ!ゆっくり夏を感じる暇もなかったお忙しい人にも・・・オススメしたいです。アンナちゃんや、どんどん登場するあたたかい人達と、いい夏の一時を過ごしてください。
2014/08/22
扉のこちら側
初読。2015年834冊め。ノーフォークの美しい情景が目に浮かぶ。自分を外側の人間だとして心を閉ざす少女と、家族に省みられない寂しい少女の出会い。イマジナリーフレンドのようなマーニーが実は…だったという設定もよかった。
2015/07/19
saga
ジブリ映画を観終えた直後に購入。書店には[角川]と[新潮]の文庫が並び売られていた。イギリスのとある場所で転地療養を過ごすアンナと、不思議な少女マーニーとの交流は、映画を観ていた時もそうだったが、日本文学にはないような物語の展開=日本では怪談話になってしまいそうだ=と思いながら、終盤にアンナに告げられるマーニーとは誰だったのかという場面で、結末が判っているというのにじ〜んときた。映画は北海道が舞台で若干の違和感を感じるが、本、映画ともに良かったと思う。
2014/08/02
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