散り椿 (角川文庫)
散り椿 (角川文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
済まぬ、登場人物を始め、もろもろのことが頭に入って来ぬのだ。物語半ばまで読んだが、痺れを切らして終章を読んでしまった。いろいろ題材を盛り込みたいのはわかるが、どこかに焦点を絞って欲しかったというのは拙者のわがままか、、、期待大であったがために無念である。
2019/06/08
三代目 びあだいまおう
嗚呼!なんという想いよ!亡き妻の最期の願い、散り行く椿を見て欲しい、そしてあの方を救けて欲しい!『そなたの頼みを果たせたら、誉めてくれるか?』『お褒めいたしますとも』妻の、妻への、友の、友への、母の、母への想い。政権争いが熾烈極まり、思惑と野心と政略蠢く中、何と純粋で美しき利他の想いか!強大な権力の前で芥に等しい自我を通す者たち。勝ち負けでなくただ信じた者への、ただ約束した者への潔い忠心に涙を堪えられない!なるほど映像化に相応しい、まさに純の粋。友情、愛情、死してなお崇高、賭した命に涙!結末に喝采‼️🙇
2019/11/25
ケンイチミズバ
ストレートなモノ言は疎まれる。汚職を指摘すればそれを指示した上役がいるわけで、そんな大きな権力を一介の藩士が糾弾できるものではない。冷静になれば自分の行いで誰かが詰腹を切らされ、後ろ盾のない自分も組織を追われるかもとなる。正直者が損をする、現代でもよく起こることだ。酸いも甘いも飲み下し多少の汚れを纏って力をつけた方が勝ち。勝ってなによ?葉室先生はそんなことを許しはしない。クロサワの世界が彷彿と、新兵衛は椿三十郎とかぶった。わくわくするストーリーの展開とほろ苦いラスト、ああ読んでよかった。映画も絶対に見る。
2018/09/28
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
久しぶりに読む葉室作品はお家騒動もの。藩主を交えた権力闘争に巻き込まれながらも、正しく生きる姿が清々しい。夫婦愛もさりげなく描かれている感じで邪魔にならなくてちょうど良い。自分は葉室作品を読むのはこれが18作目。よほど好きなんだろうな。未読の作品があと何冊残っているか分からないが、限りある葉室作品、これからも大切に読んでいきたいです。
2021/01/02
ken_sakura
良かった(^_^)夏の百冊で映画になるし、著者の本は気にしながら手に取る機会に恵まれず、初めてに良い機会と思って手に取った。読まされました。少し藤沢周平を思い出しました(^。^)かつて上役の不正を訴えて藩を追われた鬼の新兵衛こと瓜生新兵衛が、妻篠の遺言を果たすために18年振りに帰藩する。その顛末。甥の藤吾が良かったです。物語の後半が派手で私はちょっと目が回りました(^◇^;)夏の百冊。
2018/09/21
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