アルケミスト Anniversary Edition
アルケミスト Anniversary Edition / 感想・レビュー
よこたん
“もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。” 己の内なる声に耳を傾けよ。この声は己自身にしか聞こえないし、またそれを聞いてやれるのも己だけなのである。変化を恐れて変わらずにいることを選ぶ者、やみくもに暴走し道半ばで命尽きる者もある。信じた道を後悔の無いように生きることは、なかなかに難しい。キリスト教イスラム教の宗教観はよく分からないが、なんとなく禅の問答にも通じる感覚だった。余韻がすごい。
2020/10/14
kawa
「半飼いの少年サンチャゴは、宝物がピラミッドに隠されているという夢のお告げを信じ、アンダルシアから砂漠を越えエジプトを目指す。」(アマゾン・書籍紹介より)旅の過程での自分探しの物語。「すべての物はみな一つだ」という世界感に共感。ストーリーを追うというより、折々に好きなところを開いて、そこに散りばめられている箴言に向き合う、そんな作品のように思う。
2019/10/11
エンリケ
この物語には男達の夢が詰まっている。それは、あり得ない夢を追い求めて辿る冒険の日々。今風のリスクマネージメントに照らせばおよそ真逆の行動。主人公の少年は、堅実な人生をかなぐり捨てて冒険に旅立つ。何度も安息な生活が過ごせる機会は有った。しかしそこに安住しなかったのは、後悔をしたくないから。スペインからマグレブの港町を経てエジプトに至る道行き。その数奇な旅は読者の心を震わせる。長年多くの人に愛されて来たのも納得。無精者の僕でも旅への憧れが疼いてしまった。万物に宿る魂、普遍の愛。その一端を感じながら読了。
2018/02/06
ゆう
2017年初読み本。手に取ったきっかけは地元の駅で前に歩いていた女性のバッグからチラリと覗いていたこと。なんだか素敵な装丁で何の本か気になる!で、検索して購入。羊飼いの少年の冒険物なのかと思って読み始めたけどなんだか違う。冒険といえば冒険なんだけど、自分を見つけるための旅のお話。哲学だった。読みやすいけど哲学や宗教的なことは理解するのはやっぱり難しいなぁ。
2017/01/01
Aya
羊飼いのサンチャゴが出逢う人や物は全て同じものの違う姿?序盤に出逢った王様は未来のサンチャゴで、賢者の石を引き継いでいくエンドレスストーリーを勝手に妄想。「前兆」という道標に沿う旅は宝探しに置き換えられ、物事の結末を知っている錬金術師と出逢う。「全てが一つだということを知っているのは植物と鉱物」ファンタジーの皮を被った哲学書に思えた。スピリチュアルだけれど壮大なスケールの物語は何度も新しい発見がありそう。買いたい本!
2016/01/14
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