礼讃
礼讃 / 感想・レビュー
starbro
以前から気になっていた木嶋佳苗の「礼讃」を読みました。自称文学少女だけあって素人とは思えない文章(もしかしたらゴーストライター?)です。内容的には自分を思いっ切り美化した自伝的小説で官能小説の色もかなり強くなっています。また読者が一番知りたい内容は、上告中のためかPartⅡを狙っているかはわかりませんが、ほとんど触れられていません。私の推測としては、当初は若さと女の武器(名器、性技、教養?、オジサマキラー)で稼いでいたのが、若さが失われ、リッチな男に相手にされなくなり、犯罪に走ったのでは?【読メエロ部】
2015/06/18
風眠
礼賛?どこをどう捉えれば、この人を立派で素晴らしいと思えるの?このタイトル、自分で付けたのかな。だとしたら凄いな、いろんな意味で。真梨幸子の『5人のジュンコ』を読んで木嶋佳苗という人物に興味が湧いて、この本を手に取ってみた。自伝的小説を書いたつもりかもしれないけれど、これ小説じゃない。日記?というか、くどくどと長いだけの自分自慢。私はこんなに可哀想なんです、私ってこんなに凄いんです、インテリです育ちが違います名器です、って、どこが?彼女を支援する団体があったり、獄中結婚したり、彼女の周りもどうかしてる。
2015/05/16
しぃたろ@記録の一部が消失:(
首都圏連続不審死事件(婚活殺人事件)の被告人、木嶋佳苗による自伝的小説。肝心の事件については殆ど触れられておらず、自慢と露骨な性描写と母親への批判がひたすら続く。彼女は自分の姿を鏡で見た事が無いのだろうか?本書の内容全てが彼女の妄想に思えてならない。兎に角、痛々しい!終章の内容が特に不愉快だった。
2016/03/07
garth
すべてがクリシェだけで構築された完全なフィクション。まるでカタログを読んでいるかのような無味乾燥にして細かい記述。異常に生々しいセックス・シーン。木嶋佳苗の内面はもちろんわからない(たぶん、そんなものは存在しない)のだが、彼女が外にどう見られたいと思っているのかはよくわかる。それはとてつもなく不気味なものである。これほど不気味な犯罪者の自伝を読んだ記憶はない。
2015/03/07
fwhd8325
信条として、読み始めた本は、最後まで読み切るのだが、今回は何度も迷った。しかし、何とか読み終えた。著者が、一連の事件を整然と語っているのであれば興味は広がったのだろうが、全く陳腐な内容だった。自身が書いたのにしても、口述的なものであっても、この文章の一つ一つを心理学者に分析して、解説して欲しい。その方がよほど面白い読み物になるように感じる。ただ著者の凄い点は、妄想と矛盾でありながら、それを強固な土台にして、自らの物語を揺らぎのないものにしているところだ。やはり、怖ろしい。
2015/05/12
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