満腹論
満腹論 / 感想・レビュー
はとむぎ
4年越しにようやく読み終えました。坂本真綾さんが月刊ニュータイプで連載しているエッセイの書籍化。タイトル通り、メインは食べ物にまつわるお話。その他にも、真綾さんにとっての音楽や、“文字を書く”ということに対する意識や、くらしの中での考え方・捉え方、葛藤などがもりっと書かれている。サラリとした文章で、まるで友達から受け取った手紙のように読めるのだけれど、じんわりと心に広がって染み込む言葉がいくつもある。真綾さんの真直ぐさ、明るさ、人間らしさ、……とにかくたくさんの魅力が詰まっている一冊。
2019/03/31
きき
坂本真綾さんのエッセイ。『食べて「おいしい」と笑う、そんな当たり前のことがどれほど有り難く、幸せなことか』。あとがきにあるこの一文が本書の全てを表している。舞台に立って、あるいはスタジオで、どこかで歌って語って演じて一見華やかそうに見える裏側で、日々を粛々と大切に生きる真綾さんが見える。時にくすっと笑ったり、飯テロ回があったり、誰かの涙に寄り添ったり、誰も不幸にならない真綾さんも幸せであろう日々の記録はとても尊い。毎日が全てハッピーな訳ないけれど、コツコツ生きていこうと思えた。満腹。
2024/03/21
なるせの
あとがきより。「毒にも薬にもならない」という目標のもとに毎月書かれていたエッセイ集。満腹論という題名な本だけあって、食べ物ネタが豊富。満腹には胃を満たすだけでなく心を満たすようなことも書いてあって、幸せの気分に浸れた。舞台前の必死に台詞をおぼえたり、旅先で財布を集団スリに狙われたりと受け取り方次第ではぎすぎすした文章になりそうなのに。このエッセイではそういった衝撃的な事件も穏やかな文章のままに綴られている。そういった考え方や文章力っていいな。よりよく生きれるな。
2016/02/14
FUU
旅先でのみチビチビ読んでたが面白すぎて一気読みの贅沢。真綾さんのエッセイには「あぁ~~めっちゃわかる!」となることが多く今回もまさに。日常や仕事に対する視点が好き。若い頃は苦労するべきなんて私は全く思わないし、しなくて済むならそれに越したことないと思ってる。でもめちゃめちゃ苦労したことを苦労だとも思わず、それでも不幸だと思ったことはなかったと笑い飛ばしていけるオトナはとっても素敵。肉体と魂の空腹をバネにして今羽ばたいてる人達はやはり芯が強いと思う。応援している人達もきっとそう。自分もかくありたいもの。満腹
2015/11/27
tommy
雑誌に連載されていたエッセイをまとめた単行本。食の話から人生の話まで幅広く楽しめました。作中で登場した三島由紀夫レター教室は、思わず読んでみたくなり、読んでみたい本リストに追加しちゃいました。
2015/03/16
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