短歌ください 明日でイエスは2010才篇 (角川文庫)
短歌ください 明日でイエスは2010才篇 (角川文庫) / 感想・レビュー
tomi
「ダ・ヴィンチ」の短歌投稿コーナーをまとめたシリーズ第二弾(単行本のタイトルは「短歌ください その二」)。穂村さんは度々、怖い歌はいい歌と書いていますが、印象に残った歌は怖い歌が多い。クスっと笑える歌。共感できる歌。寸評を読まないと理解できない歌。回(テーマ)別に自分なりのベストを選びながら楽しみました。
2023/08/03
水色系
どきっとするような歌たち。目のつけどころがユニークだったり逆に当たり前すぎて一瞬で忘れてしまうことを切り取っていたり、そういう才能を感じる。午前2時裸で便座を感じてる明日でイエスは2010歳(P29、自由題)/来年もよろしくと言ったあの人は知らないうちにオムレツの彼方(P56、自由題)/背に乗った妹どかし腕立てを再開したら数えてくれる(P121、自由題)/うつされたあなたの菌をもうすこし飼っておきたい。エサはわたしだ(P174、風邪)/男って女より先に死ぬものね 綺麗になったのに眠ってる(P181、風呂)
2023/03/30
Kazuko Ohta
わ、穂村さんの文庫新刊。笑わせてもらう気満々で手に取りましたが、私はこれまで彼のエッセイばかり読んでいて、短歌そのものが載っている本は初めて読むことに気づく。穂村さんは歌人なのに。泣ける映画が必ずしもいい映画ではなかったりするけれど、怖い映画も必ずいい映画というわけではない。でも怖い歌は必ずいい歌なのだそうです。他の感情よりも人間の深いところに根ざしているからかもしれないという推察になるほど。それにしても選出された歌の作者は皆若い。ジジババおらんし。経験値高い爺婆が恐怖について詠んだらさらに怖い気がする。
2020/09/27
ちぇけら
もうそんな傷だらけにはならずとも宇宙の砂は持って帰れる。『短歌ください』シリーズはものすごく好きで、ダ・ヴィンチでも読んでいるのにまた読んでしまう。それは三十一音の定型があるからで、また投稿作品ならではの定型の崩壊があるからだ。誰かの目や思考をとおして型に流し込まれた音たちは、どんな天体よりも眩しい。この本のなかでは、川上渚さんの「男って女より先に死ぬものね 綺麗になったのに眠ってる」がいちばん好き。「ラブホテルでの一首」らしいです。短歌でなければ別に聞きたくない情景も、〈定型〉がそれを詩にするのだ。
2021/01/10
ケー
ダ・ヴィンチの連載をまとめたもの。サブタイトルが秀逸すぎる。 投稿に対する穂村さんのコメント、解説も温かく、そして的確。自分も投稿しようかな。
2022/12/18
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