たゆたう (角川文庫)
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たゆたう (角川文庫) / 感想・レビュー
mukimi
数年前TVでアイドルの私服をスタイリストがランク付していた。いわゆる大量生産系女子達の中で、個性的でレトロな服を着こなし圧倒的1位に選ばれていた子がいた。若くても自分をよく知りセンスの良い子がいるものだと感心した。それが筆者だった。それからその名をメディアで見る度に光るものがある子は残るのだなぁと見ていた。そんな彼女の文章は正直で敏感で、自意識に溺れかけていた昔の自分の日記を読んでいるようだった。若いって時に痛い。だけど冷めたり開き直ったりなんてしなくていい、そのままの彼女の文章をまた読みたいと思った。
2024/09/30
tenori
今週三冊目のエッセイ集は長濱ねるさん。彼女は私の半分も生きてはいない。若いのに硬い言葉を選んでくるなという印象。それが『自分が何者で何を目指しているのかはっきりせず、世間と足並みがそろっていない』ことに抗うための鎧のようにも感じるが臆するな。私など未だに自分が何をしたいのか明確でないままだが「みんなと同じ」よりはよほど健全だ。たゆたうと言えば無責任と感じる向きもあるかもしれないけれど、言葉として表現した瞬間に生じる責任を彼女はしっかり理解しているだろう。ほどよい距離感を保った共感性のあるエッセイ。
2024/05/23
meg
感受性が強いとはいいことかと疑問に思う。長濱ねるさんはたしかにやさしい心の持ち主である。感受性があるないではなく、どう活かし生きるかであるかもしれない。
2024/08/03
はづき
ウソ婚をきっかけにこんな素朴で顔の可愛い子いたんだ〜となんか惹かれ、またタイミングよくエッセイが出てたことから手に取った。そういえば朝ドラに出てたな〜と記憶を思い出しつつ。まったりのんびりのほほんとしてる感じが良い。考え方とか価値観とかちょっと共感できる部分もあって。所々にクスッと笑えるエピソードなんかもあったりして。大阪サウナの話とか結構好き。かっこ悪いエッセイとかそれがカッコよかったり、人のこころにささったりする良い内容で自分も頑張ろうてなるし、生きている世界は違えども悩みは同じで人間らしさを感じた。
2023/12/01
まぁみ
あっという間に読了。言葉選びに人柄がにじみ出てた。お若い方なので、もっとキャピキャピしてるのかと思ってた。飾らずに自身を語る言葉の端々から…何となく、ご両親からたくさんの愛情を注がれたんだなぁと感じ、ところどころ微笑ましくてニンマリしたり。予想以上に気づきがあった。心地よくて魅力的な文章の数々に引き込まれ、笑わされ、でも芯の強さはブレない方だなと、自然と応援したくなった。少し考え過ぎる面や理屈っぽい面がまた可愛らしい。俳優業の彼女だけでなく、彼女自身を丸ごとひっくるめて応援しようと、決めました。
2023/09/27
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