光秀の定理 (角川文庫)
光秀の定理 (角川文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
これこそが明智光秀のリアルでは?解説にもあるが我々の光秀像は『信長にいじめられた挙げ句にブチ切れ、クーデターを起こして三日天下』という認識であろう。本作は構成からして面白い。光秀を語るに殆ど光秀自身の視点を盛り込まない斬新な手法。人心掌握、これをスキルとするならば身に付けた者は億万の財と究極の我が儘が約束されるであろう!物事や人の心を単なる『点』で考えず、その生き方·背景·価値観を想像して『線』『面』で捉える意義!時代を変えし光秀の不器用なまでの葛藤に、日本を変えた明治維新に通ずる何かを感じた傑作‼️🙇
2020/04/09
あきぽん
2020年大河ドラマの主人公は明智光秀。人望なきインテリというネガティブイメージが強い人物だけど、本書は彼の「誠実さ」を前面にだしてネガティブイメージを払拭している。家族を愛し、友を愛し、領地に善政をしいた光秀。果たして長谷川博己はどれだけ光秀にポジティブイメージを与えられるのだろう?
2019/09/24
mariya926
今までは女性の書く江戸時代の物語を堪能していましたが、男性が書く時代小説も面白いです♪この本はメインは光秀ですが、新九郎の成長物語みたいな感じでも読めます。また煕子が「頭の巡りが速い、ということではない。賢い。そしてそれは、自己への憐憫、あるいは自己の立場を置き忘れた人にしか訪れない」この存在は今の時代でも夫に大切にされるしかない存在だと感じ、細川ガラシャの立場からしか読んだことがなかったので、違う立場から見れたのが今回の醍醐味でした。「生き方変えられぬ者は、生き残れぬ」は今の時代でも言えると思います。
2019/08/10
nico🐬波待ち中
光秀のことをこんなに魅力的に感じたことは今までなかった。私の中にあった光秀に対する負の感情がひっくり返る。それは光秀を最後まで「十兵衛」と親しく呼ぶ、愚息と新九郎の存在によるものに他ならない。乱世をあくまでも自由気儘に生きる二人と、そんな二人の生き様を羨ましく思いつつも、その血筋と性格により叶うことのできない光秀。これらの対比により光秀に対する親しみがわく。不器用な光秀は乱世を生き抜くことには不向きであったけれど、人としての魅力を感じられずにはいられない。数学を掛け合わせた歴史小説は新鮮で面白かった。
2019/02/05
🅼🆈½ ユニス™
ちっぽけなクイズを投げかけながら展開する明智光秀の出世物語が面白い。光秀の、というよりは愚息と新九郎の物語と言った方が良いかも知れない。単なるミステリー歴史ものではなく、まったく新しい歴史エンターテインメントを描く著者、垣根涼介さんはやはり凄い!そして、やはり失望させない❗️
2019/05/30
感想・レビューをもっと見る